「この句はなぜ入選なのか分かりますか」の批評
回答者 腹井壮
かぬまっこさん、こんばんわ。この手の解説はハオニーさんが得意とするところですが
春惜しむ言葉の森や広辞苑
春惜しむや風薫るなどの季語はそこで切れているとも読めますし次の言葉を修飾しているとも読めます。実際に先人の句にも同じようなパターンの句がありますがかぬまっこさんの御指摘は文法上間違ってはいません。選者はおそらく春惜しむは言葉の森を修飾していると判断したのでしょう。もし切れをわかりやすくするならば
惜春の言葉の森や広辞苑
にすべきだったのでしょうが添削せずに採った理由はわかりません。それよりも「言葉の森」と「広辞苑」の距離の近さが気になりますね。
母の日や孫に余命を問はれけり
俳句は17音しかないため二度も詠嘆するとしつこいし二つも大きな切れがあるとブツブツした感じで好まれませんね。選者には「や」と「けり」の併用が何らかの理由で効果的と判断したのでしょう。内容が面白いので私なら
母の日の孫に問はれる余命かな
と添削して採りますが。
参考になれば幸いです。
点数: 3
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次の二句はある新聞の俳壇の入選句です。(私の句ではありません)
🔷春惜しむ言葉の森や広辞苑
でも、この句は三段切れですよね。
🔷母の日や孫に余命を問われけり
「や けり」切れ字が二つ
やらない方がよいと言われている三段切れと切れ字二つの句なのに、何故、入選したのだと思いますか❔因みに、大串 章 選です。