俳句添削道場(投句と批評)

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霧多布昆布纏って寝るラッコ

作者 HIGUMA  投稿日

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

北海道浜中町の霧多布岬では野生のラッコを見ることができます。流されないように昆布をからだに巻いて寝ていることも。。♪

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霧多布昆布巻きつけ寝る猟虎

回答者 なお

こんにちは。HIGUMA様、いつもお世話になってます。

御句、先にコメントを残されたお二方が大分語っておられますので、私は簡単に。
まず、霧多布は入れたい。なぜなら「霧多布のラッコ」というブランドだからです。
ただ、現在、昆布が季語となっていますが、ラッコが身体に巻きつけることに季節の感慨がなく、ちょっと辛いです。そうなると、別の季語を持ってくる。その場合は霧多布の代わりに上五に置くことになります。
あと、流されないように昆布を巻きつけて寝るというのが実に面白い。作者もそこに惹かれたはず。でも「纏い」では、単なる茶目っ気のように読めて、ラッコが、なぜそうするのかがわからず損だと思いました。提案句の「巻きつけ」でもわからない人はわからないが、わかる人が増えると思いました。
動植物は漢字で書くのは俳句の決まりですが、どれも読めないですよね。それに「ラッコ」という可愛らしい響きもなくなりますしね。でも仕方ないですね。

句の評価:
★★★★★

点数: 2

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長昆布寝ぬる猟虎のまとふかな

回答者 長谷機械児

句の評価:
★★★★★

HIGUMAさん、はじめまして。

野生のラッコ、見てみたいものですが、この夏休み(私は今週いっぱいが夏休みなのです)は、コロナと天候不良でずっと巣籠りです。

さて、御句の気になる点を箇条書きに。

・「霧多布」と聞くと、私は「岬」でなく「湿原」の方を想起します。これに続くラッコの姿にはあまり関係なく、読む側にとっては要らない情報のように感じます。
季語「昆布」について、その本意は人間が食べる食材としての昆布であると思うのですが・・(手元の平凡社の「ポケット俳句歳時記」には確かに「昆布」(夏・植物)とあるのですが、例句は「昆布刈る」「昆布納屋」という使い方。もう一つ角川文庫分冊版(新年)にある総索引では「昆布刈」はあれど、「昆布」としての収録はありませんでした)。もしかして「ラッコ」が季語か?と両歳時記を繰りましたが、これは季語ではないようで。

それとも「霧多布昆布」というのが一種のブランドとしてあって、これをラッコがちゃっかり拝借している、という滑稽句・・・ではないと思いたい・・・。

提案句は、昆布を上五において、中七下五をラッコの姿にまとめたものです。季語に関しては、気になるものの「昆布」から変えると言うことはしていません。「長昆布」というのが霧多布のある釧路地方に生育する昆布の種類らしい、とは、ネット検索のたまもの。私はまったく詳しくありません。

もしも季語を変えるなら、

 海草をまとふ猟虎や夏の月

今後とも、よろしくお願いします。

点数: 2

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「霧多布昆布纏って寝るラッコ」の批評

回答者 げばげば

句の評価:
★★★★★

こんにちは。
いつも勉強させていただいています。

御句、拝読しました。野生のラッコ!えー、すごいですね。日本近海で見られるとは思ってもみなかったです。しかも昆布を巻き付けて寝ているなんて、その句読みたくなりますね。
概ね長谷機械児さんがご指摘くださいましたね。
兄を季語とするかで「昆布」を巻いている姿にしていますが、別の季語を持ってきてもいいかもしれませんね、そのためには霧多布の上五はもったいないかもしれません。

纏う・寝る、と動詞が続くのも避けたいところですね。

あと、長谷さんはさらりとされていましたが、ラッコは漢字表記がいいですね。
カタカナは学術表記的なイメージもありますし、俳句では生き物・植物は漢字表記となります。

昆布をやめたバージョンの長谷さんの

海草をまとふ猟虎や夏の月

が綺麗かなーと思います。俳句の型にもぴしっとはまっていて。ラッコは夜に寝るのかなー、それはわかんないけど、夏の月に照らされて眠ってたらきれい(^▽^)/ということで、一票入れて去ります。そんな野生のラッコさん、ちょっと遭遇してみたいですね(*'▽')

点数: 2

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