俳句添削道場(投句と批評)

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大夕焼けぽつりと遊ぶ仔犬かな

回答者 腹井壮

添削した俳句: 夕焼けやぽつり遊びし仔犬ゐて

森田拓也さん、おはようございます。
いつも丁寧な鑑賞ありがとうございます。

自分が説明した破調はまさしく句跨ぎという用語です。
自分は初心者向けの本に書いてある表現や解説に不満があります。
切れ字を二つ以上使う事や季語を二個以上使う等を俳句のルールに反するとかタブーだとかキツイ表現をしている事が多いです。でもこれは「先人達が試行錯誤して作りあげた俳句を作りやすくするマニュアルやノウハウですよ」って言ってくれたら気軽に始められるし、その後もタブーやルールを破る時にいったいどうゆう時に何が許されるのかわかりやすくなるんですよ。
句跨ぎの説明も小難しい事を言わずに「五・七・五の定型に収まらない時は諦めたり字余り時足らずで妥協せず17音にぴったりに嵌めてみましょう」って言ってくれたらわかりやすいのになぁなんて思っていたんです。

不満や愚痴はここまでにして今回の句は良くできているとおもいました。取り合わせもばっちりですし、子犬ではなく仔犬にした事もいいです。オノマトペが意図した通りになっていますし、一匹だけで遊ぶ仔犬は家から逃げだしたのかはたまた捨てられたのかなど想像が膨らみます。文語も間違っていません。

唯一の泣き所が三段切れで調べが悪かった事。
切れ字の二重使用はタブーもルールも犯していませんが一個使えば十分な効果がある原句でした。自分もそうだったのですが初心者のうちは

夕焼けやぽつんと遊ぶ子犬かな

なんてやってしまいがちです。

点数: 1

「思秋期や落ち歯入れ歯になりにけり」の批評

回答者 森田拓也

添削した俳句: 思秋期や落ち歯入れ歯になりにけり

渡 弘道さん

こんばんは
「白い恋人」と美しく添削していただきありがとうございました。
俳句ノートに大切に写させていただきましたよ。

この句は、老いの情景ですね。
現実的に老いというものは、やはりとても過酷なものですが、
この句ではユーモラスに描いてあり、
微笑ましく読ませていただいています。
老いることもまた、それはそれで悪くないのかなって、
思わせていただける句です。

点数: 1

「一京の冬の波ありチバニアン」の批評

回答者 森田拓也

添削した俳句: 一京の冬の波ありチバニアン

ハオニーさん

こんばんは

「チバニアン」というお言葉はどこかユーモラスですよね。
「一京」というのは、兆の一万倍。(古くは万の千倍をいった)と
辞典に書いてありました。
とても大きな脅威と、その結果が静かな迫力で込められている句ですね。
数字のご表現を俳句で使われるのは、とても難しいと思うのですが、
「一京」という数のご表現も美しいですね。

点数: 1

「勤労感謝日たまに食べたき甘いもの」の批評

回答者 森田拓也

添削した俳句: 勤労感謝日たまに食べたき甘いもの

腹胃壮さん

こんばんは
いつもお世話になり、どうもありがとうございます。
破調と、「~如し」の俳句技法を教えていただき、
ありがとうございます。
腹胃壮さんが添削して下さった句も、破調の長所や美しさを学ばせていただける句です。
必要な技法としての季重なりを教えていただいたことも、ありがとうございます。
17音であれば、体感として心地良く感じるという点は、
とても興味深いですね。
もしかしたら、と思い、句またがりの技法もまた一つの、その点の謎を解くヒントに
なるのではないかと思い調べてみました。
以下は、『覚えておきたい 極めつけの名句1000』p85からの引用になります。
気軽に読んでみて下さいね。

◆句またがり

海くれて鴨のこゑほのかに白し  芭蕉
子にみやげなき秋の夜の肩ぐるま  能村登四郎

 このような俳句は、いわゆる五・七・五の調子ではない。芭蕉の句は「海くれてほのかに白し鴨のこゑ」とすれば普通のリズムになる。ただし、原句の味わいは完全に失われてしまう。単に意味を伝えるのではなく、調べそのものの持つ趣がこの句の命なのである。登四郎の句は、「子にみやげなき/秋の夜の肩ぐるま」と「七・十(五・五)」のように読めばぎくしゃくはしない。しかし、それでは意味を述べているだけで、俳句独特のリズムを感じさせない。これはあくまで「子にみやげ/なき秋の夜の肩ぐるま」と読みたい。意味の上からは「みやげなき」は切れないにもかかわらず、「子にみやげ/なき」と変則的なリズムになることで、「なき」が強調される。このような表現法を「句またがり」と呼ぶ。つまり、上五から中七へ、あるいは中七から下五へ、意味上のまとまりをもったフレーズがまたがることをいう。そのときに生ずる意味とリズムの切れのずれをむしろ生かそうという手法なのである。音楽でいえば、シンコペーションにあたり、強拍と弱拍が入れ替わることによって生ずる不規則感が、単調さを打ち破るのである。

 ※

この句のお気持ちが僕もよく分かります。
疲れてる時、たしかに甘いものが欲しくなりますよね。
中七から、下五にかけてのどこかほっこりするご表現であると同時に、
普段の社会生活での疲れが、句に込められたご表現として、
鮮やかに浮き上がってきますね。
やっぱり「たまに」っていう言葉が強烈なスパイスとして句に機能してると感じました。

 
 

点数: 0

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