類と翠 #神代類くん #夢の第4話 全10話で完結
類と翠 #神代類くん #夢の第4話
作者 祈矢暁月 得点 : 0 投稿日時:
翠side
「…っは」
私が目を覚ますと、保健室のベッドの上にいた。
いったいなぜ、私はこんなところにいるのだろう…
朝からの記憶をたどることにした。
朝から体調が悪かった。学校には来た。一時限目の授業の後に体調悪化したってイライラして、移動教室の時に未来ちゃんと一緒に移動してた。で何かめまいして、後ろを付けてた類を未来ちゃんが呼んで…。
そっからの記憶がないや…。
ふう、とため息を吐くと、そこに保健室の先生?が来た。
「あら、起きたの。…神代さーん」
え?かみしろ、神代、神代類…。
類!?
え、え、なんでここにいんの!?だって今明らかに授業中だよ!?
ガラッ(カーテンを開ける音)
カーテンが開いて、類の姿が見えた。
「翠…。」
類は、なぜか心配そうに私を見ていた。
類side
「…すごい熱だ」
僕は、意識を消失している状態の翠に駆け寄った。
「とりあえず、保健室まで運ばないと…。」
未来くんにあれやこれやを指示して、僕は翠を保健室に運んだ。
コンコン(保健室のドアをノックする音)
「…失礼します」
「はーい…え?これはどういう状況ですか…?」
疑問を持つのも無理はないか…。
とにかく僕は、あれやらこれやらの事情を保健室の先生(school nurse☆)に伝え、授業に戻ることにした。翠の家事情を知っている僕は、今日は翠の親が出張で家にいないことを知っていたので、
「先生、嘉川さんの親は両方出張していていません。僕の家が隣なので、僕が付き添って帰ります」
保健室の先生は快く了承してくれた。
翠sideに戻る
「翠…何轍ぐらいしたんだい…?」
類は私に聞いてきた。まあそりゃあ、雨浴びて徹夜してたら熱も出すわ。
「んーと…3ぐらい?」
「まあ翠の事だから、まじめに勉強してたんだろうけど、3徹はさすがにダメだよ。とりあえず今週中は徹夜しないでね」
類の言うことはごもっともだ。
「ハーイ…。」
と蚊の鳴くような声で返事をすると、
「今日は付き添いで僕も帰るから」
と類が言った。
「え、いや、別に大丈夫なんですけd」
「だって翠の親家にいないじゃん。だから今日は僕が付き添う」
言い返そうと思ったけど、さすがにさっきの事情を聴いて反抗することはできない。ここはおとなしく言うことを聞いておこう。
そしてその日は、二人で私の家に帰った。
「ただいまー…。」
誰もいない我が家に、私はそういうと、類を家に上げた。
類は、
「じゃあ翠は手洗いうがいして自室に行っててくださーい。体温測って安静にしてなね。氷枕とか後でもっていくから」
「わーマジで類神。ありがと」
そう言って私は手を洗ってうがいをして自分の部屋に入った。
類side
「氷枕っと…あった。」
必要なものをすべて見つけると、僕は翠の部屋に向かう。
翠の家はまあまあ大きいから、初めて来たときは迷子になりかけたけど、何百回と着た今では、翠の部屋を見つけるなど容易いことだった。
コンコン(ドアをノックする音)
「静かだ…。」
静かっていうことは、翠はもう寝たのかな?
「オジャマシマース…。」
僕は小さな声でそういうと、翠の部屋へと入っていった。
壁には、色々な試験の合格証書が貼ってある。
進むと、ベッドの上で翠が寝ていた。(制服のまま)
僕は静かに氷枕を敷いてあげる。
「…可愛いな…。」
僕は思わずそう漏らすと、ベッドに座った。
翠side
「ん…。」
目を覚まして時計を見る。
3時か…暇だな…勉強したい…
そう思って起き上がろうとすると、枕が冷たかった。
「あ…氷枕…ふふ」
類が持ってきてくれたんだな、と思わず笑みをこぼす。
すると、足元に何か固いものが当たった。
びっくりして覗くと、それは類の頭だった。
「ふふ、寝てるじゃんw可愛い」
そう言って布団をかけてあげると、私は机に向かった。
熱は、類のおかげで下がったみたいだった。