檸檬の重罪
作者 べっぷん 得点 : 0 投稿日時:
私の名前はれもん。現在、中学1年生です。
一見しますと、ただの中学生かと思われがちですが実は私、最近とある荒らしをやり始めました。
今日はその行為について、お伝えしますね。
れもんが見ていたのは、ピーグル掲示板だった。
ピーグル掲示板とは、ピーグルグループのアプリのひとつで、閲覧者数は今年までで15万人を突破している人気の掲示板である。れもんは、そのピーグル掲示板で毎日、荒らしといわれる行為をやり始めている。
れもんはいつものように、ただただ画面をスクロールしていると、とある掲示板が見つかった。
それは、「みんなで雑談しよ!」という名前で、スレ主はヤブ巳という人だった。
「ちょっと覗いてみよ」
れもんは、その掲示板が、やけに閲覧回数が多かったので気になり、中を見てみた。
すると、そこはヤブ巳をリーダーとして、様々なユーザーが書き込みをしていた。
(なるほどね、これだけのユーザーがいれば、あの閲覧回数になるのも不思議じゃないわ)
れもんは、心の中で納得した。
(さて、今日はどんな遊びをしようかな?)
れもんいわく、荒らしのことを隠語で遊びと言っているらしい。
れもんにとっては、面白半分のつもりでやっているのだろう。
とりあえず、れもんは嘘の情報を掲示してみた。
れもん 「ねえ、知ってる?荒らしって面白いんだよ」
れもんにとってそれは、いたって普通の投稿だった。しかし勿論、他の人にとってはこんなスレ、だれも望んではいない。その15秒後、返信が戻ってきた。
ヤブ巳 「ちょっとあんた、何、うちの掲示板に勝手に書き込んでんのよ。荒らしがなんだか知らないけどね、うちは関係者以外スレ立てちゃいけないの!」
(チッ、引っかからなかったか)
れもんにとって、真面目な奴は大嫌いだ。なぜなら真面目な奴ほど、荒らしに騙されにくい傾向にあるためだ。しかし、ここで引き下がらないのがれもんだ。れもんは、相手が荒らしユーザー、つまりは荒らしを行う自分のような人物になってくれるよう、スレを送信して仕向けるのだ。そうすることで、荒らしユーザー同士で争いが起こり、ここピーグル掲示板は廃止とされるだろう。そうなることが、れもんの最大の夢だった。
れもん 「じゃあさ、関係者って誰の事?具体的に全部、応えてよ」
ヤブ巳 「そ、それは・・・」
れもん 「答えられないんだwじゃ、れもんも関係者ね!でさ、荒らしって知ってる?面白いんだよ!前さ、IDアドレス教えてって言うだけで引っかかる奴とかいてさ、今、そいつは死んでるんだけどね」
ヤブ巳 「勝手によその話しないでよ!早く出てってちょうだい!」
れもん 「やだよ。それよりさ、話を聞いてよ。私は、あんたたちを荒らしに来たわけじゃない。あんたたちも、荒らしのとりこにならないかって聞いてるの」
ヤブ巳 「荒らしのとりこ?意味わかんないわ!私は、荒らしなんて、絶対に関与しないから!」
れもん 「あれ?荒らしのこと、何か知ってそうだねえ。詳しく教えてよ」
ヤブ巳 「いやよ!関係者でもないあんたに教えられるわけないわ!」
れもん 「それってさ、知られて嫌なことでもあるってことだよね?もしかして、相当やばいことしちゃったの?」
れもんが、相手を罠に引っ掛けたかのように、ぐいぐいと押してくる。ヤブ巳は少し考え、1分後にスレが届いた。
ヤブ巳 「してないわよ!」
れもん 「じゃあ、応えてよ。荒らしの内容についてさ」
ヤブ巳 「しょうがないわね。ちょっと遊んだだけよ」
遊びとは、ピーグル掲示板では荒らしという意味を持つ隠語である。実際、荒らし慣れた人になってくると、スレでは隠語を多く使うといわれている。隠語をなるべく多く使うことで、相手に特定されにくくなるメリットがあるらしく、荒らしにも初心者や上級者など色々な人がいるわけである。
れもん 「どんなことして遊んだの?」
ヤブ巳 「荒氏樽男って奴がいたから、そいつの作成する掲示板に死ねって書き込んでやっただけよ。でも、まさか本当に死ぬとは思わなくて・・・」
れもん 「うんうん、そうだね。何気ない一言が、人を殺す最大の武器になることもあるからね。いい遊びじゃないか」
ヤブ巳 「違う!これは遊びなんかじゃないわ!」
れもん 「他人が、それで傷つけば、それは遊びでしょ?だって、遊びってそういうもんじゃん。
でも大丈夫。遊びたいって気持ちは、誰にでもある正常なことだから。それよりさ、これから一緒に遊ばない?遊びたい掲示板があるんだけど」
ヤブ巳 「いいけど、他の人がなんて思うか・・・」
れもん 「黙ってれば大丈夫だよ。ばれなきゃ犯罪じゃないから。どうせ、遊びは犯罪とまではいかず、遊びで片付けられることがほとんどだから。実際、私は遊びをしてきたけど、捕まったこととかないからね。遊びが犯罪だとか、どうせただの噂話よ」
ヤブ巳 「そうだよね・・・。だって、死んだのは樽男の自殺だもんね・・・」
れもん 「そうそう、どうせ捕まんないなら、いっぱい遊んだ方がよくない?」
ヤブ巳 「確かに、それもそうね。わかったわ、あなたに協力する」
れもん 「サンキュー。じゃ、さっそく、その掲示板について話すね」
こうして、ヤブ巳はどんどん、荒らしの世界に引きずり込まれてしまうのであった。