テンプレ異世界転生記の第2話 全10話で完結
第2話 転生
作者 日本海のピラニア 得点 : 0 投稿日時:
翔は原 翔という同姓同名の人物に転生した。翔は言葉を話せるようになった頃から不可解な話をして両親を不思議がらせた。そう。前世の記憶である。
4歳ころになるとその前世の記憶の話はエスカレートしていった。しかし、両親は想像力が多感な子どもの空想だと思っていて気にも留めていなかった。そして6歳の誕生日を迎える。ついに、全ての記憶が戻る。
………。
なるほど。天使の言っていた通り、ちょうど6歳に前世の記憶の全てが新たな肉体の脳にインプットされたわけか…。
しかし、驚いた。まさか前世と同姓同名だとはな。しかも言語も日本語だ。どうやら前世の地球・それも日本に近い異世界に転生してしまったらしい。ただこの星の名前は「壱」でこの国の名前は「和」だ。さらに違うのはここの星の科学力は地球の21世紀相当のものだという事だ。前世の地球はちょうど100世紀。実に79世紀も前の時代遅れの科学力だ。
僕は、前世の記憶を活かし、漢字や英語・フランス語・中国語・イタリア語・スペイン語などで小説を書いて見せて親や幼稚園の先生を驚かせた。書いた小説は100世紀の地球の人気作の丸パクリだ。だが、そんなのは彼らにはバレるはずもない。
さらに僕は因数分解や微分積分・4次元方程式・5次元方程式も解いて見せた。
「こんなのは100世紀では、小学1年生レベルの問題だ」
僕は100世紀の地球の小学生レベルの問題を次々時、周りの大人たちを驚かせた。
「翔くんすご~い!!!」
「こんな難しい問題を解けるなんて!一体誰から教わったんだ?」
大の大人が6歳児である僕に尊敬の眼差しを注いでいるんだから実に面白い。大人たちは勿論、周りの子どもからも僕の凄さを羨ましがられた。
「翔ちゃんすごいね!ちゃんと漢字も書けるなんて!」
「外国語も話せるなんてスゴーイ!」
「こんなに難しい算数も解けるのね!」
当然、女の子からもモテモテである。しかし、こんな小さい子にモテても嬉しくない。
僕の事はSNSで瞬く間に拡散され、天才園児として有名になった。テレビからの取材も止まなかった。
そして、ついに議員までもが僕に目を付けた。僕を飛び級措置をとって卒園後、大学に進学させてくれるという話になった。その大学は「首都大学」。和で一番偏差値が高い大学だ。
「100世紀の知識を持ってすれば、この国…いや、この星を支配するのも時間の問題だな」
僕は大きな野望を抱いた。それはこの星・壱を征服する事である。そのためには、大学で功績を作るのが一番の近道だと考えた。
僕の野望に向けた大学生活が幕を開けようとしていた…。