「砂日傘モグラの神の暇乞い」の批評
回答者 みつかづ
西住さん、こんばんは。貴句、拝読いたしました。
結論から申し上げますと、その句面では誰1人として映画『肉弾』には
辿り着けません。何故なら、季語「砂日傘」との取り合わせなので。
「砂日傘」は海水浴の時、日影を作る為に砂浜に挿し込んで使う大きな日傘。
ビーチパラソルの事。つまり、平和でないとできないレジャーに用いる道具です。
西住さんが句でお伝えなさりたいのは、『肉弾』の一場面ですよね。
ならば、それを素直にお書きになる方が、読者に伝わるのではないでしょうか?
元句のままですと、読者は「海水浴場でモグラでも見付けたのかな?
(暇乞い=死ぬの?)」位にしか思えませんでしょう。
岡本監督が描いたのは、不条理な戦時下の「生」と「死」のリアル。
砂日傘で戦時下なんて、一体誰が想像なさいますでしょうか?
戦時下と平和は真逆ですよ。
添削はハッキリ申し上げて不可能ですので作句例を残しますが、1点助言。
「読者が景を組み立てられる様に、単語の意味を調べたら句意が分かる様に
お詠みください」
A:海岸を守る陸軍若き夏
どうしても「モグラの神」を入れるなら、例えば以下。
B:学徒なるモグラの神の挑む夏
C:敵阻むモグラの神の若き夏
D:敵潰すモグラの神の若き夏
A~Dは全て「特攻兵(若者)」という実体と「夏」という季語を直結させており、
映画を知らなくても、読者は「本土決戦の焦燥感」が正しく想像し易くなります。
こうしてこそ、岡本監督への尊敬・敬意でしょう。
作者コメントはあくまでも読解の答え合わせ、添削の一次資料に過ぎませんから。
以上でございます。お目通しいただき、感謝いたします。
点数: 1
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岡本喜八監督の隠れた名作、『肉弾』を見ている時に浮かんだ句。
全然夏の句ですし、作品的にも終戦の日に出した方がいいんでしょうけどね。
忘れちゃうのでね💦
この流れで映画紹介。
肉弾の主人公は、学徒動員で陸軍に徴兵された、21歳の幹部候補生“あいつ”時勢は、戦況逼迫し、本土決戦の叫ばれる1945年の夏、あいつ工兵学校を卒業すると特攻を命じられる、、、その特攻というのは航空特攻でもなくベニヤ張り特攻艇でもない、海岸から上陸する敵の戦車に爆弾を抱えて突っ込む“モグラの神”であった。『日本の一番長い日』や『独立愚連隊』の岡本喜八監督らしいブラックユーモア満載の説教臭くない反戦映画。寺田農、大谷直子主演。時間が有ればぜひ