駆け込んで電車で暖をとる落葉
回答者 虚俊
形を無くしていくだけの落ち葉も、舞い落ちるときだけは冬の光景の一部である。ということかと思いきやそうではなく、ずいぶん伝えたいことと伝わることのギャップがあります。問題点を逐一述べていきましょうか。
まず、「冬模様」から。○○模様とは「それらしい様子」を意味します。(例、雨模様)つまり冬模様だと「冬らしい様子」であり「冬目前」とはなりません。
そして季重なりです。調べたところ落ち葉は冬の季語でした。「冬模様」が季語になるかどうか疑問ではありますが、「冬」を季語としておきましょう。
さらに中七「クルクル舞えば」夏井先生が選ぶ三大凡人動詞が「舞う(踊る)、染める、燃える」これらは「ちょっと雰囲気が出る」とよく凡人が使う言葉なのです。使ってはいけないことはないのですが、この句には不要でしょうか。そして「クルクル」で高速で自転している様子をイメージしました。しかし路上ということは、おそらく風に巻き込まれて回っているのではないでしょうか。となると「クルクル」 も伝えたいこととのギャップを生み出してしまいます。
季語というのは、当然季節を表すものですから冬目前としたければ晩秋の季語を使うか、初冬の季語を使えば表現できます。落ち葉にこだわるのであれば冬の始まりを思わせるその他の言葉を使えば表現できるでしょうか。
インターネットで季語を調べられるので推敲の際利用されてはいかがでしょう。
指摘事項: 季重なり
点数: 1
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秋の最中、落ち葉が路上に、クルクル舞えば、冬目前という意。