俳句添削道場(投句と批評)

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燕帰る来春帰るそのままに

作者 笙染  投稿日

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

毎年3月末にツバメが戻ってきます。
子育てが終わりそのまま帰って行きます。
毎年の事です。
宜しくお願い致します。

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「燕帰る来春帰るそのままに」の批評

回答者 なお

笙染さん、こんにちは。
御句拝読しました。燕の渡り鳥としての生態をお詠みですよね。いなくなると寂しくなりますね。

先にイサクさんが非常にわかりやすく、論理的にご説明くださっているので、後追いとか蛇足のようにも思いますが、笙染さんファンとして私にもお伝えさせてください。

御句、確かに原句のままではわかりにくいです。
「燕帰る」というのは秋になり越冬のために南方へ渡る(我々からすると行ってしまう)ことを言います。それなのに、そのすぐ後にそれは来春と言っています(実際は違う意味だと思いますがそう取れます)。
そのため、続く「そのまま」の意味が取りづらくなっています。

先日、私はどなたかのご投句に、「渡り鳥とはあちこち渡り歩くものではなく、ある決まった場所に戻ってくる」みたいなことを書きました。
御句の「そのまま」はそのように、あちこちフラフラするのではなく、また、その時季になったらこの地に戻ってくる、ということをおっしゃっているのだと思います。

句の内容(渡り鳥である燕に対する愛情や感慨)が素敵で印象深いだけに、なんとか調整して意図を伝えたいです。

・燕帰る春に戻ると言ひ残し

でも、これは燕帰るの季語に含まれていますからね…。
いっそ、全然関係ないことを合わせませんか?

・燕帰る今日はヤクルト巨人戦
・燕帰る誰がなるのか次期総理

ふざけているのではないです、燕が戻ってきた時には、スワローズは、この国は変わっているかな?そのままかな?という…。
よろしくお願いします。

句の評価:
★★★★★

点数: 1

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「燕帰る来春帰るそのままに」の批評

回答者 イサク

句の評価:
★★★★★

おはようございます。

言いたいことはわかります。
燕が毎年来ることの説明をなさっていますね。
「季節を感じる」=「毎年同じ季節に季語に出会える喜び」でもあるので、素直な感情ではあると思います。

◆季語「燕帰る」は南方へ行ってしまう意味。中七の「帰る」は日本(我が家)へやってくる意味。二つの「帰る」が正反対の意味で使われていることはあまり得策ではないと思います。
◆「来春帰るそのままに」
 そもそも「季語」というのは季節の移り変わりを感じるものですので、「毎年同じように来る、現れる、咲く」「季節が過ぎれば消える、見なくなる」という感慨を含みます。
 なので中七下五は「一見良い言葉のように見えて、季語全体のことを説明しているような言葉」と言えなくはないです。
 「燕」に関係する季語も、毎年春に現れて秋にはいなくなるという感慨を含みます。「燕帰る」には見送る寂しさ、来春も会えるかという期待や、会いたいという願望も含みます。
 なので、俳句としては説明しすぎではないかと思います。

◆「そのままに」がこの句で作者が最も強く言いたいところだと思います。
 「そのまま」が燕の生態の説明なら、上記した通り季語の説明で、ちょっと残念な言葉です。
 「そのまま」=「今年の親燕がそのまま戻って来る」という願望、ということなら理解できます。理解できますが同意はしづらいです。私は「成長した子燕が戻ってきて、今度は親として子を育ててほしい。世代交代を見せてほしい」と思ってしまうので、やはり「そのまま」に違和感が残ります。

いろいろ書きましたが気持ちはよくわかります。「来春もまた(日本に)帰ってこい」という燕を見送る者の気持ち。
御句そのものは日記俳句として残し、次はいかに「帰っていく燕」を「俳句」として詠むか、ということでしょうか。

落日のなかを燕の帰るかな/蕪村
乙鳥は妻子揃うて帰るなり/一茶

点数: 1

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添削対象の句『燕帰る来春帰るそのままに』 作者: 笙染
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