「鳴き声や雨音響く秋の夜」の批評
こんばんは。
なるほど。そう来ましたか。
五七五のリズムと季語ひとつはできていますが、受け取る側が混乱する書きっぷりになってしまいました。
◆「鳴き声」だけでは何が鳴いているかわかりません。
「秋の夜」で虫の声、と思わせたいのかもしれませんが、遠回し過ぎて、受け取る側が迷ってしまいます。俳句は連想ゲームではないので。
犬・猫の声と受け取られてもおかしくないですし、鹿も秋に鳴く動物と言われています。何の「鳴き声」か、この句ではわかりません。
◆「(虫の)鳴き声や雨音響く」で、実際にどっちの音を想像したらいいの?と思いました。
虫の音と雨の音という別々の音。雨音が「響く」ほど強いのであれば、普通は虫の声は聞こえないかなあ・・と思ってしまいます。
◆コメントには「虫の鳴き声や雨の音が響いて聞こえるほど静かな夜だなぁ」とあります。
ですが、「鳴き声」という単語や「雨音響く」という言葉で、実際に「静か」ということが表現できるかどうか?作者ご本人はどう思いますでしょうか?
あまり静かな様子は思い浮かばないのでは・・・と思います。
「鳴き声」「音響く」と書いて静かなことを言いたいとか、「虫」と書かずに虫の声のことを言いたいとか、遠回し遠回しに書いてしまって成功していないように思います。
俳句は十七音と短く、遠回しに言っていたら文字数が足りなくなり、必要なことが伝わりません。
「しずか」なことを主張するのであれば「しずか」と書いたり、「虫の声」を聴かせたいのであれば「虫の声」と書いたり、初心者のうちは「意味のわかるように伝える」という形をお勧めします。
あと、俳句で描くのは一句でワンシーンが基本であるということもお伝えしておきます。「虫の音」と「雨音響く」を同時に出すのは、不可能ではないかもしれませんが、まず破綻すると思った方がよいです。
「静か」な句の例として、つい最近、このサイトに良い句が出ています
(すみません「静か」なことが表現できている例句としてお借りします)
停電の町に満月しづかなり/慈雨
「虫の声」の例句としてはこちら。
うるさいほどの虫の声、それ以外の音がしない夜、という句です。「虫の音」は「むしのね」と読み、虫の声のことです。
虫の音の夜空より降りしきりけり/飯田夷佐久(2021)
添削のお礼として、イサクさんの俳句の感想を書いてください >>
前回は伝えたいことを書いてなかったので書きます!それを踏まえて評価お願いします。
「虫の鳴き声や雨の音が響いて聞こえるほど静かな夜だなぁ。」という意味です!
私は静かな雰囲気が好きなので、その静けさを雨の音だったり鳴き声が普段より大きく聞こえるというのを表現をしたつもりです。