「滝の水死骸も流れ菊の花」の批評
回答者 なお
藤井擴さん、こんにちは。
御句拝読しました。厳しくしてくださいとのことですので、そのようにコメントさせていただきます。
最近のニュースから、とのことですが、俳句は時事問題を詠むのに適していません。川柳なら別ですが、俳句は基本的に自然のなかの四季の移ろいと、それとともに揺れ動く心情をバランスを取りながら詠むものだと思います。
時事問題は、それを知らない人には何のこっちゃとなりますし、そのうちに忘れられる可能性が高いです。
まれに有名人が亡くなった時には追悼句が集まりますが、これは時事問題とはまた別のものです。
また御句、「死骸」という言葉があります。もちろん使ってはいけないものではありませんが、読んであまり気分のいいものではありませんし、動物とかの断りがなければ人間の死体と思ってもおかしくない。それが滝から流れてとなれば、詩情とかより嫌悪感が先に立ちます。季語の滝が気の毒です。
また、下五になぜか菊の花。これも不思議で、滝という夏の季語があるのに秋の花。それもあまり句の内容と響いていません。
厳しくしてくださいとのことですので、思ったままを申し上げました。
もし熊本の天草のニュースからお詠みであれば、そのショックはわかりますが、俳句として披露するのであれば、
・清濁の合わせ流るる滝の水
・滝の水清きばかりにあらずして
改作になってしまって恐縮ですが、このくらいですと滝の清涼感を損ねずに今回の出来事を読み込んでいるのではと思います。
厳しくしてくださいとのご要望ですので、あえて辛口にさせていただきました。ご了承のほどよろしくお願いします。
点数: 2
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