「龍の玉探しに往くと夏休み」の批評
初めまして、こんにちは。貴句、拝読しました。
上五の季語「龍の玉」。もしかすると、なおじいさんも勘違いなさっていらっしゃるかもしれません。
龍の玉とは、「龍の髯の実」の事です。実が生(な)るの冬ですので、「龍の玉」は三冬の季語ですよ。
龍の髯の開花は7月~8月ですので、「龍の髯」は晩夏の季語です。
しっかり区別する場合、龍の髯の花と書く場合があります。
手持ちの『新版角川季寄せ 2024年1月24日初版発行』で季語としての季節と、インターネット上の植物図鑑で龍の髯の生態を調べました。
季語の表記をお間違えになったのか、混同なさったのではないかと私は思いますが、表記はとても似ている季語ですが、季節は全く逆ですので要注意です。
「龍の髯探しに往くと夏休み」であれば、季語「龍の髯」と季語「夏休み」の季重なりでどちらも晩夏ですので、句の内容の良し悪しは別として、「暑い中、郊外まで植物観察に行かれるのでしょうか? 熱中症にお気を付けて行ってらっしゃいませ」と読者は違和感無く作者を送り出せます。
また、「龍の玉探しに往くと冬休み」であれば、季語「龍の玉」が三冬、季語「冬休み」が仲冬で冬同士の季重なりですので、こちらも句の内容の良し悪しは別として、「寒い中、田舎まで植物観察に行かれるのでしょうか? 足元にお気を付けて、暖かくなさって行ってらっしゃいませ」と、こちらも読者は違和感無く作者を送り出せます。
ですが、原句のままですと「えっ? 今は夏休みですよね? 龍の玉なんてまだまだ生ってませんので、幾ら探しても絶対に見付かりませんよ」と読者は困惑する訳です。
今回は以上です。
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夏の冒険