「君おもひグラスのしずく晩夏の候」の批評
回答者 イサク
こんにちは。はじめまして。よろしくお願いします。
俳句の世界へようこそ。なかなか奥が深く・・
長文になります。
さて御句、どこまで俳句の知識があるかでアドバイスが変わる句です。
実質初心者様ということで考えます。
「君おもひグラスのしずく晩夏の候」
◆下五が六音「ばんかのこう」とある字余りですが、リズムは整っています。形はできていると思います。
絶対にダメ、というようなところはありません。
それを前提で、もう少し深掘りしてみます。
◆「君おもひ」
初心者様がよく使いたがるワードで、頻繁に使われると聞きます。ダメではないのですが、特に「父」「母」「君」などの登場人物は、わざわざ「思う」と言わなくても思っているから俳句に登場してきますので、「思う」の部分は言い替えたい点です。
◆「晩夏の候」
「晩夏」と言い切れば晩夏の気候のことです。「の候」は三音使ってあまり意味のない説明をしています。
俳句は十七音しかないので、三音というのはかなりもったいない無駄使いに見えます。ここも変えたいです。
あるいは「晩夏光」(ばんかこう)とすれば晩夏の日差しの意味の季語になり、ここに映像が出てきます。三音季語よりも五音季語「晩夏光」の方が使いやすいかもしれません。
◆句の中の具体的な映像が「グラスのしずく」だけ、です。「晩夏」という季語は季節のことなので具体的な映像を持っていませんし、「君」も受け手にはどんな人物なのかわかりません。
そのために、グラスがどんな場所にあって、グラスの中身の液体は何なのか、想像することが難しいです。
受け手が勝手な想像ならできるのです。ファミレスのお冷や?夜の晩酌のビール?洗い立てのグラスのしずく?などなど。この想像に幅がありすぎて、どの風景で受け止めればいいかわからない、という句になってしまいます。
具体性を補うために、「おもひ」「の候」あたりの五~六音は、何か別の言葉に変えてみるとして、
あとは整える時点で「君」という単語が絶対に必要かどうか?「グラス」「しずく」も絶対に必要かどうか?というところまで考えてみます。
コメントにも具体的なことが書いていないので、想像で補いつつ。
たとえば二人の過去の思い出を現在風に詠み込んで
・君の手のワイングラスや晩夏光
たとえば思い出の場所を詠みこんで
・ファミレスのグラスのしずく晩夏光
たとえばグラスに焦点を当てて
・君用のグラスを洗う晩夏かな
十七音に収めるには、句の中の要素を少なめにして、シンプルな「詩」にした方が良い場合が多いです。過去も現在も説明したい、というのは十七音ではなかなか難しいです。
「俳句として描きたい風景はどれ?」というのを、ご自身でもう少し整理してみてもいいかもしれません。
長くなりましたがとりあえずここまで。
点数: 3
添削のお礼として、イサクさんの俳句の感想を書いてください >>
学生時代から20年ぶりに書いてみました。。。
何となく気持ちを表現したくなって。
駄作ですいません。。