「照り返す床屋の夏の鏡かな」の批評
回答者 卓鐘
こんにちわ。
床屋の鏡とそこに映る夏の取り合わせは良いですね。上五「照り返す」がゆるいというか課題がいくつかあるように思います、
・動詞上五は成功しずらい
上五に動詞をおくて主語も目的語も曖昧になって意味が通りにくくなることが多いので成功しにくいと言われます。この場合も、鏡とも夏とも分断されてしまっているので読みずらくなっているように思います。
・言わずもがな
鏡に夏とあれば言わずもがな鏡は照り返しているでしょう。試しに、上五とってもみえてくる光景はかわりません。先の上五動詞とあいまって、思いつかなかったからごましたかな?という印象にとれます。
・季語とそれ以外の質量ばらんす
こま爺さんが引用されているであろう俳句2g理論?、ないし言葉の質量理論?にそっていくと、季語そのものが1gである必要はないですが、取り合わせの句の場合は、季語およひその描写と季語以外のキーワードないし描写が釣り合ってないと、有季定型俳句としては成立しづらいかと思います。この句の場合、「照り返す床屋の鏡」が1.7くらいで「夏」が0.3くらいで俳句の器としてはちょうどいいが、質量バランス簡単で少し損にみえます。
▪️季語に質量もたせる方向性
ふるさとの床屋のかがみ蝉時雨
積年の床屋のかがみ夏来る
▪️季語に描写を加えバランスとる方向性
理髪店まばゆき夏の鏡かな
点数: 2
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理髪店の鏡に映る向こうの景色も暑い夏です。
キーワードは理髪店の「鏡」てわす。