「神さびし白く華厳の滝落つる」の批評
回答者 イサク
おはようございます。
句とコメントだけでは意味がとらえにくく、少し待っておりました。
文字だけでは伝えづらいのですが
◆上五「神さびし」の「し」は過去の助動詞「し」だと思います。これは連体形なので体言にかかります。ということは、後ろにある体言「華厳の滝」に掛かって「神さびし華厳の滝」と繋がるのですが、間に「白く」という【用言】が挟まっていて、なにやらおかしなことに。
◆中七の「白く」は形容詞「白い・白し」の未然形あるいは連用形で、素直に読めば、後ろにある用言「落ちる」に掛かって「白く落ちる」とつながります。こちらは間に「華厳の滝」が挟まっていても意味は通じます。が、「白い・白し」という形容詞は用言であり、連用形で使っているため、上五の「神さびし」という連体形を邪魔しています。
このままで、違和感のない語順にするなら
『神さびし華厳の滝の白く落つ』
となります。連体形と連用形の整理です。
◆で、もうひとつの問題が上五の「神さびし」です。
・過去形(過去の助動詞を使っている)ことの違和感
・下五が「落ちる」という口語なこともあり、古語の動詞「神さぶ」という受け取りができず、形容詞「寂し」「神が寂しい」と誤読すること。
その辺りは古語の「神さぶ」の例文を見ながら。この句の意味ならば動詞を連体形にするだけでよいと思います。
・神さぶる華厳の滝や白く落つ
ここからさらに、滝なので「落ちる・落つ」は省略可能です。
連体形・連用形・切れを整理すればこんなことも可能です。
・神さびて白き華厳の滝となる
点数: 4
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華厳の滝は神秘的