「上人の御像は焼けて草の絮」の批評
回答者 イサク
おはようございます。
「焼けた後これから再興する寺」ではなく、寺が焼失してしまった跡地が草地になってしまい、絮が付くほどまでに時間が経過して秋になってしまった、という句に読み取れました。
「草」に「人工物がなくなった跡」というイメージがあるのだと思います。
再生ならば春の季語、あるいは春を待つ冬の季語が通例ですが・・・どうしましょうかね。
・上人の御像焼けたり草の萌ゆ
点数: 1
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記念日俳句、8/29は「文化財保護法施行記念日」。
法隆寺金堂とか、金閣寺とか、最近だと首里城とか、有名な火災は幾つかあるけれども、松山の宝厳寺をイメージして一句。
N先生のYouTube動画でちょくちょく話に出る宝厳寺(動画の撮影場所が近所のようで)。平成25年(2013年)8月に起った本堂を全焼する火災で、国の重文指定を受けていた一遍上人の木像が焼失。すっかり焼尽してしまったらしく、焼け跡から残骸も見つからなかったとのこと。
季語「草の絮」。名で呼ばれない植物の生命力というのが、焼けた後これから再興する寺というものに合っているのではないかと思うが、花の色は要らないかも、と、「草の花」ではなく「草の絮」を選択。
なお、宝厳寺では現在新たな上人像を青銅製で新調して安置しているらしい。