「街路樹は先手観音空蒼く」の批評
回答者 なお
美蓮さん、こんにちは。初めまして。
御句拝読しました。深い、いい句をお詠みになりますね。ご経験は長くていらっしゃるのですか?
このままでもいいと思いましたが、せっかく道場にいらしてくださったので、少しだけ申し上げます。
下五の「空蒼く」、お気持ちはわかるのですが、あと一歩季節感を出してもいいかなと思いました。
もちろん、御句を読めば誰でも、葉が青々と繁っている季節だとは思わないでしょう。枝が千手観音の腕に見えるというのですから、十分に葉が落ちた枯れ枝でなくてはなりません。ですから季節は冬。わかるのですが、私はそこでもう一押しと思いました。
・街路樹は千手観音冬の空
これは日中の句ですが、
・街路樹は千手観音冬の月
これは夜の句になり、街路樹がシルエットとなってますます千手観音に思えるのではと。まして月を背後になさったら、さぞやお美しいことでしょう。
あと、ちょっと気になりましたのは、「街路樹」である点です。
「街路樹」ということは、一本だけでなく、道の両側に何十本もあるわけですよね。ということは、千手観音が何十体も並んでいるというわけで、お地蔵様とかならともかく、千手観音ではちょっと異様かと…。
その点で、げばげばさんの提案句の「冬木立」は、この点については問題なくなるなと思いました。
細々と失礼しました。いい句だと思います!
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寒い季節。葉を切り落とされて、短くなったいくつもの街路樹の枝が、それぞれ四方に広がっています。
まるで先手観音様のようです。
手を広げ、悩み苦しみ哀しみを引き受けて、その上には、澄んだ青空が広がっています。
未来が暖かく広がっているように感じました。