肥川 稔さん、こんにちは。
御句の感想と提案句を置かせていただきます。
御句、これまたいい目のつけどころですね。私たちの年代では「イムジン河」という、南北朝鮮の国境を取り上げた素晴らしい歌がありましたが、今の若い方々はご存知ないでしょう。
さて御句、悪くないのですが、突っ込みどころがいくつかありますのでちょっと見ていきます。
「国境も」。「〜も」という助詞を使う場合は、並列する他のものを示唆できないと、単に音の流れで「〜も」と置いたように読めてしまいます。この場合は、国境でない他のものは何でしょうか?
「笑顔で」。お気持ちはわかりますが、鳥がどんな顔をしているか、誰にもわかりませんね。
「行き交う」。渡り鳥はそんなにあっちへ行ったりこっちへ行ったりしないのでは?一方通行のほうが、「お、また来たな!」「ああ、去っていくんだね…」という感慨が生まれます。もちろん、年間を通してみれば「行き交う」かもしれませんが、そんなに長い時間を読むのは大変です。
そこで提案句です。国境といえば普通「柵」「フェンス」が思い浮かびます。しかし空を飛べる鳥にとってはそんなものは無いに等しい。そこで海や山のような、目に見えぬところにある国境を詠み込みました。
また、推敲の過程でどうしても「〜の空を」と言いたくなる時がありましたが、渡り鳥が地上を歩くはずないので「空を」は不要だと思い、入れてしまわないように気をつけました。
御句のテーマはとても好きです。私の提案句はお手本とかの意味ではなく、大したものではないので、これから出てくる他の方々のコメントや提案句を参考になさって、ご自身の句を磨き上げてください。
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人が作った国境も自然界では何の意味も有りません。