「ほろ酔いや焼き秋刀魚の肝噛みしめる」の批評
回答者 卓鐘
何度もごめんなさい。こう言う議論ができるのは個人的にはとても楽しいです。(すみません、付き合わせて。)
>「別の読みをする選択肢を外せ」という話ではなく、「読みが複数あるなら面白い方取ろうぜ」って話ですかね?
これは、ケースバイケースと考えています。複数の読みが広がりがあって楽しめるケースでは、あえてどちらとも取れるようにと言う選択肢もあるかと思いますが、戸惑いを感じるような誤読を招くような場合は、極力誤読を避ける工夫があって然るべきかと。結論、先の句は後者だと思っていて、避けれる提案をおいておきました。
>遠山に日のあたりたる枯野かな
これ議論がありますね。遠景と近景の対比と読むのが一般的ですね。この俳句独特の形は実は私研究中で、とても面白いのです。そのせいで少し熱くなりました。
余呉の鯉間近にはねし浴衣かな 百合山羽公
これどう読みます?主語は、「余呉(湖の固有名詞)の鯉」で、述語が「間近にはねし」これと浴衣が全く関係ないんですよ。
間近にはねたのは、鯉であって、浴衣がはねているわけではない。なので、これ取り合わせの句なんですよね。「余呉の恋が間近に跳ねている」「浴衣でいる自分」。浴衣が主語になるわけでも目的語になるわけでも、場所を表しているわけでもなく、ただ、取り合わせの二物を連体形でつなげている。
どうやら、こんな型が存在しているようで。ちょっと面白くて。
元に戻ると「遠山に日のあたりたる枯野かな」は、枯野の一物仕立てと説明する俳人と、「遠山に日の当たる」と「枯野」の取り合わせだけど連体形でなだらかに繋げた取り合わせであるとする俳人がいたりします。
なので、先の句も、
月下の横顔が、ではなく、全然関係ない誰かの横顔がレリーフみたいになっている、そんな月下です。と解釈しました。
>『横顔の』の助詞『の』の話
「の」はかなり曖昧な助詞ではありますね。「の」は主に従属を表す場合(君の浴衣)と主格(君の泳ぎたるを(僕が)見る)のように泳ぐの主語として君がつく場合がありますね。「横顔のリリーフめく」も「(何かが()横顔が描かれたリリーフのようになる」の読みと「横顔が、リリーフのようになる」の2つの読み方が発生しますね。
点数: 1
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焼かないと苦味がなくなる読みも発生する!と思ったら、『を』を消し忘れてたorz
ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m
https://weblike-tennsaku.ssl-lolipop.jp/haiku/corrections/view/12093
ちなみに、小さいころ親から「少ない部位は高級なもの」と教えられたためで、血合いも大好きです。
それは単に母は血合いが苦手だったため、それを俺に食わすために言ってたらしいです。