「祭の日風船逃げし泣いた日よ」の批評
添削した俳句: 祭の日風船逃げし泣いた日よ
ネギさん、こんにちは。
御句拝読しました。思い出の句ですね。一般的には自句にコメントは付けられませんし、読み手としては、作者がどういう人かわからないので、今(現在)のこととして鑑賞するでしょう。
もし、時制にこだわる場合には、そこを明確にしておくほうがいいですが、俳句は十七音と短いですから、「幼き日」とか入れると、詠みたいことが言えなくなってしまうことがありますよね。
・幼き日風船逃げた祭りの夜
なんだかなぁ…。「幼き日」はやめて、現在で詠みましょう、とかコメントされそうですね(笑)。
慈雨さんがいいコメントしていらっしゃいますが、私がお伝えしたかったのも動詞のことです。動詞は少ないほうがいいです。主語が同じなら複数あってもいいのですが、主語が異なる場合には、話が複雑になるので避けたほうがいいです。
御句の場合、「逃げし」ですと主語は風船になり、その後の「泣いた」のは作者ですから、これは避けたほうがいいです。
解消方法としては、「逃げし」を「逃がし」とすれば、主語は作者になり、同一となります。
・風船を逃がし大泣き祭りの日
風船を逃がしたくらいで大泣きするということは、作者のお子さんか、作者の幼い頃の思い出の句だなと思ってくれるでしょう。
よろしくお願いします。
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