真・女神転生ー救世主の物語ー
作者 初心者系メガテニスト 得点 : 0 投稿日時:
※この作品には、「真・女神転生」シリーズのネタバレがあります。ご注意してください。
もう、東京は滅びてしまった。もう、あの頃には戻れない。
ミサイルにより東京は大破壊を喰らい、面影が無くなってしまうほど。それから何日か経つと、大洪水が起こり、殆どの建物が沈没した。壮麗で神々しさを感じさせられる建物であるカテドラルが水に囲まれて凛として見える。
茶髪の少年はその光景を見て、絶望した。平和だったあの頃の東京と、優しかった母の事、違う道を歩んでしまった友の事を思い出した。涙が自然と溢れた。
隣に立っていた一人のパートナーである黒髪の少女が、悲しそうな表情を浮かべながらも、「さあ、行きましょう」と言う。茶髪の少年の後ろに立っていた白い猛獣が遠吠えをする。その遠吠えは水の中へと消え去った。
「ごめん、行こう」と少年は、その光景を後にし、力強く歩いた。その後ろには、後悔と懺悔が粘り強くくっついていた。
大きな悲鳴がカテドラルに響いた。その悲鳴は茶髪の少年のものだった。近くには白い衣を纏った少年と悪魔を合体した少年が深紅の血を流しながら倒れていた。茶髪の少年は、謝罪の言葉を口にしながら震えていた。手には真っ赤な液体がついていた。黒髪の少女も座り込んで泣いていた。仲魔達は俯いた。この状況では何の力にもなれないと思ったからだろうか…。
そんな少年達を世界を救った英雄として崇められていた頃であった。英雄は神によって殺された。
そして神はこう言った。「我を崇めよ この全知全能であり 並ぶ者さえいない 我を称えよ」と。
そしてこの世には、また殺戮の世が来てしまったのである。