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タイトル:追放された機械工師のダンジョン要塞化計画の批評 投稿者: オミクロン

 オミクロンです。一読させていただきました。文章構成はかなりしっかりしていますので、設定や描写などの部分に言及させてください。

 まず、浦糸様が書いているこの作品は、転生ものではありませんよね。純粋な異世界の物語です。その世界に、我々の詳細な単位を多く持ち込んではいけないと思います。

 確かに便利なのは否定しません。読者は我々です。ですが主人公の主観でそれが許されるのは、転生者か転移者だけです。もしくは相応の理由が必要になり、お目こぼしを貰えるような説得力が必要になります。

 その世界で、1時間が1日を24等分したものである確証はどこにあるでしょうか。1メートルが、我々の地球の赤道から極地までの子午線弧の約1千万分の1と同じ確証はどこにあるでしょうか。8時という時制は、太陽がどこまで登ったところでそう言われるのでしょうか。

 仮にこれを成立させるのであれば、内部で使われる度量衡が、我々の世界で使われる度量衡と一致していることを説明しなければいけません。

 更に、DNAやプラズマといった科学用語が出てきています。これも先ほどと同じです。
 我々の世界で使う詳細な現象名を使えば使うほど、「この世界どうなってんの?」「主人公何者なの?」という疑問に溢れます。

 他にもSF小説とか、カーボンとか、炭素とか、スプリンクラーとか。枚挙に暇がありません。ここまで来ると、「この世界は異世界なのか?」という疑問へと発展します。

 まだ年、日、歳、割といったものは許容される範囲だと思います。ですが度を逸しています。

 仮に成立させるのであれば、文章の世界と読者の世界が近しい相応の理由が必要です。例えば、遥か昔に滅んだ世界の規格が今も生きている。ということを匂わせさえすれば、印象が大きく変わります。

 実例を出しますが、なろうで月夜涙様が書いていた、【魔王様の街づくり!】という似たような内容の、単行本化された小説があります。

 そこで主人公は、ほぼ異世界と思われる世界にも関わらず、初っ端から21世紀のこの世界に実在する銃を使い、我々の尺度を持ち出し、敵を殺します。挙句オーストラリアという実際の国名まで出します。ここまでだったら眉唾物です。

 ですがその物語の最初の1話で、自身の記憶がない事、何故か21世紀の人類の概念が懐かしい事、自身の事を疑問に思っていることが提示されています。これらが免罪符となって、一時的に「そういうもの」と受け入れられます。

 そして物語中盤で、その世界が遥か未来の地球であること、主人公は21世紀の人類の意識を抽出された存在であることが説明されます。ここまでしてようやく「なるほど」と認められるわけです。

 総括します。完全異世界人に、読者である我々の世界の規格を平然と使わせてはいけません。使えば使うほど、世界に対して疑問を抱かせてしまいます。例外は、免罪符を最初期に提示し、後々その免罪符に対する説明がなされる場合だけです。

 そしてその最強の免罪符が、【異世界転生、異世界転移】なのです。

 あと、会話文も段落分け出来ます。やりましょう。1文が異常に長い部分があります。小分けしましょう。それ以外に関しては粗はないと思いました。

 以上です。酷評失礼しました。

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