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タイトル:カンシャク少女と僕の一件の批評 投稿者: 琥珀

こんにちは。
素直な感想を申し上げますと「面白いんだけどもったいない!」ですね。
読んでいて気になった点について、①〜③の項目でコメントをしていきたいと思います。

①の構成については、簡潔に起承転結がまとまっていていいと思います。視点が変わるのは他の方も指摘しておりますので割愛します。
気になったのは、最後にゆあが異能らしきもので犯罪を行っていたと分かる部分です。舞台は私達の生きる日本なのか、それとも当たり前に異能が存在している日本なのか、混乱しました。
正直、私は前者と思って読み進めていたのに、最後の所で「ん?結局ファンタジーなのか?」となってしまい若干冷めました。申し訳ないです。
もし異能が存在し、ある程度世間に認知されているのならば、前半でモブなどが力を使う描写があるといいと思います。

②については、書きたいものやキャラクターの立ち位置などがはっきりしていて良かったです。気になったのは、キャラクターの個性や魅力を感じられないことでした。
特に主人公である紘一の年齢や性格が掴みにくかったです。若くて正義感を表に出すタイプなのか、年かさで正義感は掠れてきているタイプなのか、セリフや行動からは両方のイメージが交互に現れる感じでした。
冒頭では「さっさと終わらせてまとも職務がしたい」とあり、正義感が薄く、派手な仕事がしたいタイプ。しかし、後半の喫茶店ではゆあに「被害者のために犯人を見つけたい」と語っていますので、刑事としての正義感や使命感が強いタイプに思えます。

③の不自然な所ですが、所々の説明不足や強引さがあると思います。
・紘一がゆあの捜索を渋谷しているのは何故なのか。→SNSなどで「渋谷にいる」と発信があったか?
・駅構内で事件があったのに、何故電車は普通に動いているのか。→別の路線を使ったのか?
・ゆあの異能は世界で当たり前に存在しているのか、否か。→もしゆあだけの特殊能力ならチートすぎるし、どうやって能力を発動させているのかが分からない。
・ゆあは何故紘一に連絡先を渡したのか。→万が一、連絡先が燃え残ったら証拠になるのでは?
こういった小さな「何故」や違和感は、没入感を削いでしまいます。ミステリー調の物語は小さな違和感が伏線になることもあるため、物語上不要な違和感はなるべく減らした方がいいと思います。

もったいないなと思ったのは、キャラの印象や伏線を仕込める部分が色々とあるのに、スルーされていることです。

例えば、冒頭の配信者探しの場面について。警察の内情とかはドラマとかの知識しかありませんが、捜査本部が組まれるほどの大事件の捜査で、進捗も行き詰まっているのなら人探しにも多くの人員が投入されると思います。紘一も本部からペアを組まされるかと。
もしひとりで捜査させるのならば、その理由をつけたほうがいいと思います。『紘一は仕事はできるが協調性に難があり和を乱す傾向があるため、本部から遠ざける目的で上司から渋谷での人探しという仕事を与えられた』などといった感じでしょうか。

ゆあが異能でアンチを爆殺しているのなら、喫茶店でゆあと配信を見る際、アンチが異様に少ないことも伏線にできます。
紘一はそっちに疎いから気づかなくても自然ですが、ファンであろう林や橘から「アンチが少なくて、好かれてる子なんですよ〜」くらい言わせてもいいかと思います。
配信を見ながら、チラリとアンチのコメントが見える。→ゆあがわずかに反応する。→紘一は何とも思わずに流すが、この段階でゆあは次の犯行を決意する……といった流れも作れます。
その時に特徴的な仕草(目蓋が痙攣する、舌なめずりをするなど)を入れて、ゆあのダークサイドを垣間見せる、というのも有効的かと思います。

自分のことを棚上げして偉そうに長々と書いてしまって、申し訳ありません。
よくある会話劇ではなく、しっかりした小説を書ける方だと思いますので、次の小説も読んでみたいです!頑張ってください!

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