ノベル道場/小説の批評をし合おう!

返信する!以下は元記事

タイトル:海賊の話(仮)の批評の返信 投稿者: いーぴん

 続きです。
①主人公の目標について
 主人公の目標として挙げられている「ロストトレジャーを見つけること」ですが、明確な動機を持たせた方が良いかなと思いました。今のままだと「見つけなくても特に支障はないけれど、何となく気になるから見つけたい」ように捉えられてしまう恐れがあります。

 何故動機付けを言及したのかというと、物語が主人公の目的に向けて動いている時、そこに動機があるとお話全体に説得力が増すと自分は考えているからです。
 例えばですが、今後この夢のために飛び越えなければならないハードル(化物との殺し合い等)が立ち塞がった時、気になるから見つけたいという好奇心だけでは不自然に感じられます。

 肝心の動機をどうするかについて、s.s様が今後の展開をどうしていくかにもよりますが、自分なら「死んだランブータン船長の恩に報いるため」と動機付けするでしょうか。「もし宝を見つけたら、真の冒険家として認めてやるよ」からの「死んだ船長の背中にいつか追い付きたい。宝を見つけて、自分は誰もが認める冒険家になれたのだとここまで自分を育ててくれた亡き船長に見せてあげたい」みたいな……。
 他にも「復讐」「愛」「命」など動機はいくらでも考えられますが、説得力さえあれば何でもいいと思います。
 海賊との一騎討ちで、主人公が「僕は世界の謎を解かなくてはならないのだから」と叫びますが、ここに説得力が生まれると、ビシッと決まってより格好良くなると思いますよ!
 
②海賊の設定について
 この世界において海賊とはどのような存在なのか、それがもう少し分かりやすいといいかなと感じました。
 パパイヤ海賊団に強制加入させられる時に誓約書を書かされますが、海賊というと海の荒くれ者という印象だったので、一般企業のような手続きを踏まされることにギャップを感じました。自分は海賊ものは尾田先生の漫画「ONE PIECE」くらいしか読んだことが無いくらい海賊を良く知らないので「海賊ってこういうものだよ」と言われてしまえばそれまでなのですが、自分としては「海上では船長が法律だ!」みたいなイメージがあったため、このシーンが浮いてみえました。

 それと合わせて、タチバナの「キャプテンがうるさいだろうし、俺は海賊になっとくのが無難だと思うよ」というセリフも、厳しい見方をすると「お互いの背中を預ける仲間を受け入れるのに、こんな『将来の夢が決まってなければ、私は理系に進んどくのが無難だと思うよ』みたいな学校の進路選択のようなノリで入団させても良いのだろうか」と個人的に感じました。
 また主人公が「略奪はいけないことでは」と言っていたのですが、自分は「船乗りで、かつその中で略奪を行うのが海賊」だと思っていたので、この台詞にも違和感がありました。(仮に主人公が海賊というものを良く知らなかったとしても、誓約書で配当の話が出た段階で気づいてもおかしくないのではと感じました)

 ここまでで「この物語の海賊は結構ライトな感じの集団なのかな」と感じたのですが、訓練のシーンは実戦をバリバリに想定したものですし、命より誇りという物騒な価値観が浸透していますし、略奪は日常茶飯事ぽいので、この世界における海賊のイメージが掴みにくいなと感じました。

 これはどちらかに統一してあげると良くなると思います。自分なら「略奪先の船が、実は自分たちの船だった」という面白いシーンは残しておいて、それに繋げるため、違和感を覚えさせる契約書やタチバナのセリフはカット。海賊団に有無を言わさず入団させられた主人公が、生きるために仕方なく略奪した結果、ランブータン船長のスコップが……という風に変えます。これはs.s様がどのようなお話を描かれたいのかで変わってくると思います。

③パパイヤ海賊団について
 パパイヤ海賊団が怪物と出くわすシーンについて、うろたえ過ぎかなと思いました。
 勿論、初めは化物とやり合うつもりだったが、いざ本物と対峙すると怖じ気づいてしまったというのも分かります。ですが、パパイヤ海賊団は初めから怪物と一戦投じる気でしたし、航海をする者の信念が命より誇りを重んじるならば、もっと頑張って欲しいなとも思いました。これはパニックのレベルを引き下げると良いかと思います。

 また、自分たちの海賊船を奪われた時にパパイヤ船長が言った「ちょっくら行って取り返してこいよ」という無茶振り。率直にいうと、パパイヤ海賊団(特に船長)がちょっと情けなく見えてしまいました。
 パパイヤは船が奪われた時点で詰みだということは分かっていた筈。それを負傷しているとはいえ味方がまだ半数も残っている時点で放棄し、更には新入りであるライチに全責任を負わせて船の回収に向かわせるのはちょっとなと感じてしまいました。

 でも主人公の見せ場である怪物船長との一騎討ちには持っていきたいですよね。どうしましょうね。自分なら、主人公に自分から死地へと向かわせます。
 前の船ではランブータン船長が自分を庇って死に、また彼に託されたチェリー少年も結局助けられなかった訳ですよね。 そして今、ビワが自分を庇って死に、バディーであるベリィが海賊に捕まっています。ここでベリィを助けなければ、あの時と同じ過ちを繰り返してしまうのではないか。主人公が立ち上がるに十分な理由だと思います。ただ、このままだとベリィを助ける動機が弱いので、主人公を庇ったことで彼女が連れ去られた等しておくと自然に見えるかと思います。

 ここまで書いておいて何なのですが、ここはs.s様がパパイヤ船長をどうキャラ付けしたいのかによるでしょう。自分としては、チェリー少年の件でパパイヤ船長が見せた不器用な優しさがとても良いなと感じたので、こちらに性格路線を合わせたいと思って上記のようなことを書きました。

 ストーリーに大きく関わる部分で自分が気になったのはこのくらいです。ここで挙げていない気になる点については、細々としたもの(視点、描写、文章など物語に直接影響のないもの)なので大丈夫だと思いますよ!
 色々書きましたが、海賊ものはよく知らないいーぴんでも楽しめている時点で凄いと思います。新人賞に応募予定とのことで、あまりプレッシャーはかけたくないのですが、陰ながらに応援しています。

コメントは4500文字以内。

「私はロボットではありません」にチェックを入れてください。

トップページへ 「海賊の話(仮)」のスレッドへ

ノベル道場/小説の批評をし合おう!の使い方・利用規約(必ずお読みください)。お問い合わせ

関連コンテンツ