3の列車あたりまで読みました。
読んでいて良いなと思ったのは、中国について詳しく知っているな、という安心感。知識欲が程よく煽られるし、異国情緒もありました。漢字が多いのも雰囲気を作りましたが、読みやすいかというとちょっと人名とか読みが遅くなってしまう箇所はあるにはある。けれど、これが作風だと言われればそうだよねって思える塩梅に感じます。ただ、列車辺りでは、字面で見ると一気に漢字が増えて、そこで振り切られたのが途中で読むのを終えたきっかけでした。
ごめんなさい。ちょっと合わなかったところも書きます。
劇中の人物のセリフが、どうにも会話相手ではなく、それを読んでいる読者を意識した感じが出過ぎていて、どうにもしっくりきませんでした。その人に成りきる、とは違うかもしれないけど、そのキャラクタの感性で言葉を選び、空気や会話の相手を見て、自然に言葉やアクションを起こせるように書けていたら。
それによる楽しさと今のわかりやすさの両立は至難ですが、そこまで熟しても良い気がします。
それは裏返せば、作者さんが描いた中華世界の庶民っぽさや文化的、社会的な部分も含めて、「面白そう」と思わせるゆえのキャラのものたりなさなのですが。