「空澄めば庭を亀虫五つ六つ」の批評
根津さん、たびたびこんにちは。
御句読ませて頂きました。
これは格段に良くなったのではないでしょうか。
「空澄めば」ここで一旦空の映像を出しつつ、庭の亀虫へと切り替わっていく。この切り替えがスムーズですねー。
「亀虫五つ六つ」これも非常に良いですね。亀虫単体ではなく五つ六つ、相当臭い事でしょう。視覚だけでなく嗅覚にも訴えてくる、実に臨場感のある句に生まれ変わったのではないでしょうか。
さて、助詞に悩んでいるようなので…。
当該する助詞の切り替え候補として、パッと思いつく限りでは「に」「を」「へ」「の」が浮かびました。
庭「に」亀虫五つ六つ…目の前の庭に亀虫が止まっている(動いていない)
庭「を」亀虫五つ六つ…庭を亀虫が飛んでいる、動いている(おそらく止まってはいない)
庭「へ」亀虫五つ六つ…今まさに亀虫が庭へやってきた
庭「の」亀虫五つ六つ…少し遠くから眺めている庭に亀虫がいる
それぞれの助詞で、このようにイメージが変わってきませんか。
それにしても助詞ってめちゃくちゃ面白いですよね。たった一文字で、亀虫の動きがこんなにも変わっちゃうんですから。
これは僕だけかもしれませんが、俳句って助詞をこねくり回している時が一番楽しいです。
ちなみに、助詞ではなく切れ字「や」を用いた場合は
「空澄みし庭や亀虫五つ六つ」…亀虫と庭の対比。空もこんなに澄んで気持ち良い庭なのに、亀虫は五匹も六匹もいる…というイメージでしょうか。
上記以外にも探せば合う助詞はありそうなので、根津さんが目にした亀虫の動きに一番近い助詞(または切れ字)を推敲されてはいかがでしょうか。
楽しいですよ助詞。
添削のお礼として、秋沙美 洋さんの俳句の感想を書いてください >>
細かい配慮ができない、おやすみなさい😪