俳句添削道場(投句と批評)

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白富士や文庫を閉ぢて見る車窓

作者 丼上秋葵  投稿日

コメント(俳句の意味。悩みどころ)

「白い富士山🗻が見えました。見えそうだと思って、読んでいた文庫本から、目を離し、前の車窓に。

俳句にできますか?」(原文ママ)

こんにちは。
つい先日、30年越しに、完全なる母との和解を果たした、おくらです。

初めて、母から僕に、俳句のオーダーが入りました。以前はどんなに話しかけても、「わたしは俳句に興味なんかない」と突っぱねられて、険悪な雰囲気になっていた二人ですが、つい先程、こんなメールが届いて、泣きそうになってしまいました。(´;ω;`)

僕が昔、家族と一緒に住んでいたマンションには、今はもう誰も住んでいません。空き部屋に維持費を払うのも、相当な負担なので、とうとう来年の五月に売却することになりました。

僕にとっては、あまりいい思い出がない〈ハウス〉ですが、それでもやはり、少しは温かな〈ホーム〉だった時期もあるので、それなりにショックは受けています。

今、僕が母と一緒に住んでいる亡き祖母の購入したマンションは、その家から、電車で片道一時間程、離れた場所にあります。

父母共に、忙しい小学校の教員だったので、存命時は、祖母が週三で、僕の家に家事手伝いに来てくれていました。仕事に忙殺され、家庭を省みない父母に代わって、僕の心を大事に護ってくれていた、大好きな祖母でした。

〈仕事に忙殺され〉という部分を、大人になった私が理解できたからこそ、和解が成立したのです。そのきっかけは、俳句です。

掲句と合わせて、

◆祖母も見し車窓の富士は今も猶

と詠みました。
母は掲句の方が好きと言っていました。

これかも、こんな感じで、言葉少なくても、ちゃんとお互いの気持ちを優しく伝い合えてゆけたらと思います。

無季かも知れませんが、ご容赦ください。
私は〈句の心〉こそが、一番大切だとおもっております。

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添削一覧 点数の高い順に並んでいます。

「白富士や文庫を閉ぢて見る車窓」の批評

回答者 かぬまっこ

句の評価:
★★★★★

今晩は✨(*^^*)

🔷白富士を文庫本閉じ見る車窓

しかしながら、これはいささか散文的ですね。

🔷文庫本閉じ見る富士の車窓かな

でも、ちょっと動詞が多いかな

お父様とお母様が教員だったとのこと
それは大変なでしたね。自分の子供を犠牲にしても担任の子供たちを思わなければならない所があるのです。仕事の厳しさですね。
そうはいっても、貴方が一番だったのですよ。
私の同級生で両親が先生の方がいました。授業参観はいつもおばあ様でいた。子供の私は不思議に想いましたが、今は分かります。そういう時代でした。

指摘事項: 無季俳句

点数: 1

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「白富士や文庫を閉ぢて見る車窓」の批評

回答者 04422

句の評価:
★★★★★

こんばんは!
良かったですね。おめでとうございます!その関係を永遠にと要らぬお世話ですが祈っています。
たった今友のメールを読んでいたところでした。その添付された写真は新幹線の中からの白富士でした。あまりにも偶然なおくら様の句との出会いです。
拙句「クリスマス」の句にコメントと添削句ありがとうございました。確かに仰せの通りです。素直にお受けいたします。
御句の「マイクさへ身を震ふ冬の熱唱」にコメントしようと考えていましたが偶然性にただただ驚いてしまい、頭で考えていた事を忘れてしまいました。
ごめんなさい…。明日でも思い出したらコメントします。不確かなお約束ですが・・・

点数: 1

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初富士や一輌の客皆仰ぐ

回答者 平果

句の評価:
★★★★★

既に御指摘がある通り、このままだと無季になってしまいますが、かといって新たな季語を持ってくるのも句趣を著しく変えてしまいますので、「富士」を新年初に見たことにして「初富士」にしてみました。
文庫本を閉じて車窓から眺めたというのが実際のところであり、その意味で富士は個人的な体験であったことと思いますが、「初富士」が見えたならば皆挙って見るだろうと想像されたため、添削案のような句となりました。
句趣を損ねないために、なるべく「富士」に近い「初富士」を選び採ったつもりでしたが、やはり新たな季語を使うと、どうしても趣きが変わってしまいますね。特にそれが新年の季語であったことも、句趣が変わった理由かもしれません。

点数: 1

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添削対象の句『白富士や文庫を閉ぢて見る車窓』 作者: 丼上秋葵
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