「翡翠と湖面が青を競い合い」の批評
初めまして。素敵な写真ですね。こういうのを俳句にしたいと思ったというのは非常に嬉しいです。(俳句仲間は増えるほど楽しい。)
ただ、「競い合い」の擬人化では、「カワセミが獲物に向かってダイブするところ」は詠めてないです。わかりにくくそれっぽく表現するのが俳句ではなく、写真のように表現したいことにピントを合わせてそこを的確にわかりやすく言葉で切り取るのが俳句の基本となります。比喩や擬人化は高等技術で、それによって映像やシーンが明確になる場合に成功しやすいですが、「競い合い」ではわかりにくくなるだけですね。
「カワセミが獲物に向かってダイブするところ」とありますが、この句は、カワセミの青と湖の青の対比に焦点が集まっています。カワセミの青と湖の青を言いたいのか、ハントにおける躍動感を描写したいのか。これもはっきりしたほうがいいです。
ここでは、コメントの通り躍動感だと思いますので、カワセミの青と湖の青の対比は読者の脳内で思わせることとしましょう。(季語を言えば、その季語の五感情報や周囲の季節の風景、様々な連想を表現できるというのは俳句の約束です。)
本当は、提案句を出そうと思ったんですが、思いついた感じより良い例句がいっぱいありましたので、それの紹介にとどめます。
翡翠の一閃湖を彈ませて 小澤克己
翡翠の一閃瑠璃を放ちけり 檀原さち子
翡翠の一直線の日のしぶき 豊田都峰
翡翠を放ちし湖のさざれなみ 西山美枝子
翡翠の水面へ凝視つづきけり 渡辺立男
青き矢と紛ふ翡翠飛び立てり 川上恵子
いずれもダイブする翡翠の一瞬の鋭さ、ダイブ前の鋭い目、などの一瞬を言葉で的確に切り取っていると思いませんか?
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鳥の写真を撮りながら俳句を詠みたいなと思いはじめました。カワセミが獲物に向かってダイブするところを読んでみました。よろしくお願いします。
https://twitter.com/kurimonaka1/status/1416177719100858377