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ループ系について (No: 1)
スレ主 カラス 投稿日時:
今、ループ系の物語を考えていて。主人公視点で話は進むんですけど、実はヒロイン視点から見ると数百回目だったりするって感じのループもの。
主人公に待ち受ける死の分岐を変える為に、ヒロインやその仲間が彼を死なせない為に色々活動していくんですが。
その場合、ループ系を匂わせるような台詞や描写ってどんなのがあるでしょうか。是非参考に教えて貰いたいです。
カテゴリー: 設定(世界観)
この質問に返信する!ループ系についての返信 (No: 2)
投稿日時:
『まどマギ』がまさにそういうストーリーなので、参考になるかもしれません。
ところで、カラスさんの構想では時間をループするのはヒロインなんですね?
その場合、「ヒロインやその仲間」の「仲間」というのがどういうポジションなのか気になります。
というのは、このタイプのストーリーはたいてい一人のキャラだけが時間を何度も遡行するという形をとるからです。
御作ではヒロインと同じ目的で行動する仲間がいるようなので、考えられるのは、
1)ヒロインと同じ時間線を同じようにループする複数のキャラがいる。
2)ループしているのはヒロインだけだけれど、ヒロインがループ先で主人公以外のキャラに事情を説明して協力をあおいでいる。
このどちらかということになります。
で、「ループ系を匂わせるような台詞や描写」ですが。
まどマギではループしているキャラが完全に一人だけなので、誰にも理解されない孤独な戦いを続けていました。この場合は主人公から見ても他のどのキャラから見ても不可解な、謎の人物という感じになります。なので、そういう誰から見ても理解不能という言動を描くのがポイントになるかと。
一方、ヒロインに仲間がいるのなら、主人公から見たら理解不能なんだけれど、ヒロインと仲間との間ではなぜか意思が通じている、こいつら何を知っているんだろう? みたいな感じ。で、仲間が事情を知っている理由が1なのか2なのかによって、描き方やセリフが違ってくるはずですよね?
そこを考えて話を作ればいいんじゃないかと思います。
* * *
また、ループ系という言葉にこだわらずにもっと古典的なタイム・パラドックス物として考えるなら、単に複数のキャラがタイムマシンに乗って過去に戻る(未来から現在、または現在から過去)という設定もあります。
この場合は映画の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を主人公のお父さんの視点から描くようなストーリーになりますね。ただ、これは何度もループという状況ではありません。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも主人公が未来から来たということはとうてい信じてもらえる話ではないので、協力を得ることは難しい状況です。ただ、あのストーリーでは主人公がタイムマシンの発明者と知り合いだったという設定があり、したがって過去の世界での発明者に出合えれば活路が開けるという重要なポイントがありました。
いずれにしても、タイムリープ物は時間の関係の辻褄合わせがけっこうやっかいなので、上記のようなことをよく考えておかないと破綻するおそれがあります。
ループ系についての返信の返信 (No: 4)
投稿日時:
ご意見ありがとうございます。そうですね、設定ですと主人公以外の仲間が7人いまして、
・過去の自分に未来のデータを送るアンドロイドヒロイン
・↑の力によって逆巻いた世界から呪いではじかれ、記憶の修正力が働かなかったヒロイン
・惨状の未来から過去に戻ったが、その肉体に刻まれた未来の記憶を再現し、未来の惨状を知ったヒロイン
などの1側のヒロイン達が、訳の分からない仲間達に説明をし、協力を依頼している感じ。
タイムリープものは時間軸が難しいと分かっているので、あえてヒロインの視点からでそう匂わせようとした感じです。他作品ですと、スバルが毎回1発正解を出してるように見えるエミリアみたいな。
ループ系についての返信 (No: 3)
投稿日時:
いやいや。そりゃ物語次第です。
主人公以外の人がループしてるって作品で有名なのは「ひぐらしのなく頃に」かなと思いますが、ここではループしてる人物は主観時間でえらい長く生きてるので、子供のフリをしながらある時ふと大人びた言葉を吐きます。いたぶられて殺されるのは嫌だからと自分で包丁を首に刺したり、子供の行動としてはぶっ飛んだ行動をしたりもします。
でも、そうした行動が御作の参考になるかっていうと違うでしょうし、「ループしてる人物は主観時間ですごい年を取ってる」って発想も、これはそういう物語の中でだから生きてくるアイディアと表現なので、無理に「主観時間」を取り入れちゃうと逆に足かせになると思う。
ループ、つまり前に同じ経験をしてるって事だから、「妙に勘がいい人」とか「別の場所で起こってる事を言い当てる」とか、主観時間を取り入れるなら「唐突に大人びた顔をする人」とか、ループを続けることで起こりうる事をよくイメージして、そこから自分の作品にマッチする手段を取ったら良いのではないかなと思います。
ループ系についての返信 (No: 5)
投稿日時:
ちょっとご構想の状況が分からなかったんですが、補足されたことで少し分かったような気がします。
主人公とヒロイン含む7人のグループがいて、ヒロインだけが時間ループを把握している。ヒロインは主人公が死亡すると、過去のある時点まで戻る。ということでしょうか。そうだとしてまして、設定をもう少し詰める必要があるのではないかと思います。
1.リゼロの事例
リゼロですと、死ぬと過去に戻る「死に戻り」(リセット)は主人公スバルの強力な武器であるわけですね。どの時点の過去に戻るかはスバルには制御できないものの、少なくとも死亡時点のリトライは無制限ですから、いつかは勝つ。例えばこれを敵キャラから見たら、脅威以外の何物でもないでしょう。
実際のドラマを気にせず誇張交えてみますと、弱いと思って斬りかかったら避けられる、さらに強力な助っ人が現れて撃退される。ならばと寝込みを襲ったらベッドはもぬけの殻。徒党を組んでで襲ってみたら、スバル側には一個師団がついていた。それならと軍を率いて正攻法で挑んだら、伏兵の奇襲に遭うわ、トラップに引っかかるわ、援軍が背後に現れるわで惨敗。みたいなことになります。
ですが、スバルには致命的な弱点もあるわけですね。死に戻りについて、誰にも話すことはできない。話そうとすると強い苦痛が生じますし、下手すると自分以外の大事な誰かが死んでしまう。
そのため、スバルは「未来でこうなるから、今こうしておかなければ」と他人に言うことができない。味方を動かすにしても、未来の話抜きに説得しないといけないわけですね。もっとも、そのおかげでスバルのできることに制限が課され、ストーリーを進めやすくなっています。読者/視聴者も起こりそうなことが制限されるため、スバルの苦難にハラハラできる以外に、分かりやすくもなっている。
2.「エンドレスエイト」(ハルヒシリーズ)の事例
「涼宮ハルヒの憂鬱」ですと、例えばアニメ版で評価が分かれた「エンドレスエイト」もタイムループです(未読ですが、ハルヒシリーズ原作では何度かタイムループが用いられたとのこと)。
「エンドレスエイト」では、夏休み最後の日が繰り返される。(アンドロイド的な宇宙人の)長門有希だけがループを把握しており(万を超すループ回数を見ていた)、ハルヒ、キョンらはループを知らない。ただ、多少の既視感を感じることはある。その既視感から、主人公キョンが長門有希に問い質し、ループ状態を知る。そこからループを抜ける努力を始めるわけですね(条件が「ハルヒが夏休みに満足すること」と分かり、解決に導かれる)。
長門有希は寡黙キャラで、しかもハルヒの監視を主たる任務としているとされています。そのため、積極的には介入しなかったことになっている。加えて、ハルヒは自覚のない神みたいなもんで、バランスを崩すと世界を崩壊させかねないとされています。そのことも、長門有希の非介入に説得力を持たせています。
3.タイムループを知らない主人公視点では
いずれも、タイムループに関する制限がドラマ発生を促しているように思います。
ただ、その2作ともループ自体は明示的に描かれます。リゼロでは主人公がループを経験しているわけですし、「エンドレスエイト」では夏休み最後の日の描写が繰り返されます(主人公キョンが寝て、起きるといつも同じ日の朝に戻る)。
スレ主さんのご構想では、ループを知らない主人公が一度きり(と主人公が思う)歴史をたどるわけですから、相当に難しいものだと思います。それだけに、上手く行けば高い効果を上げられそうです。
物語は主人公視点で描かれるとして、ヒロインのループの最後のものになるはずです。なにせ主人公はループを知らないわけですから。
(主人公が死んで、さらっと過去に戻ってそ知らぬ顔で続ける手も考えられますが、それならあまり工夫はいらないので割愛。)
4.タイムループを知るキャラの行動を設定で縛る
単純に考えると、ヒロインの行動は主人公(やループを知らない仲間)からすると、非常に奇異になるはずです。ヒロインは主人公の死の運命を知っており、何度も体験している。主人公が見るヒロインは、興奮し切り、必死でまくしたてるはずです。主人公が何かしようとすると、腕ずくでも止めようとしたりもするでしょう。
あるいは、ヒロインが延々と謎の行動をとる。未来を知るヒロインは災厄を未然に防止しているんだけれど、防止しちゃうと主人公には意味が分からないはずです。結果、よく分からないままに主人公は無事生き延びる。ヒロインが種明かし(ループと主人公死亡の回避の経過の説明)をしても、盛り上げるのは難しそうです。
これではドラマを発生させるのは難しくなります。ヒロインがなんでもやれ過ぎて、制御が効きませんから。ですので、リゼロやハルヒの事例のように、何らかの制限を加えたほうがやりやすくなるはずです。
未来の話ができない、というのも有力な案の1つです。未来からの情報は過去を変え、未来自体も変えてしまう。母親殺しのパラドクスみたいなことが起こり得ます。フィクションでも「未来の情報を告げた途端、リセットされる」としてもいいはずです(ヒロインの無言の行動が過去を変えて、未来も変える点は黙っておく)。
あるいは、ループに制限を設ける。ヒロインがやり直すたび、過去に戻る時点が1時間進む、とすると、ヒロインの行動に制限が出ます。ヒロイン視点ではだんだんやれることが少なくなる。それは主人公が知り得ないわけですけど、ヒロインの最後の試み(最後のループであり、主人公の生存ルート)で何をやれるかに影響は出そうです。
いずれも、ざっくり考えたものですので、そうするとどうなるか、は考えておりません(もし考え始めたら、具体的に過ぎる案出しになってしまうかもしれません)。いずれにしても、ヒロインのループで何ができるかより、まず何ができないかを考えてみてはどうでしょうか。
5.ループを匂わせる台詞・描写はリアリティ演出が主
その上での、「ループ系を匂わせるような台詞や描写」です。どういうループかによって、ヒロインの台詞、しぐさ等々は変わってくるはずです。それでもおおむね共通であり得そうなのは、例えばヒロインが主人公が何かしようとするのを見て「『今度は』そうするの?」と言ってしまうとかでしょうか(主人公は「今度は?」と怪しむう)。あるいは、主人公が喉の渇きを覚えてコーラが欲しいと思っただけで、ヒロインが自販機のコーラを買って差し出した、とか(主人公は「なぜ分かった?」と不思議に思う)。
しかし、いずれも小技です。全体の虚構性と嘘くささを感じさせないための、細かい点でのリアリティを出すテクニックに過ぎません。細かい点のリアリティは大事ではあるんですが、物語大枠が決まらないと、どうリアリティを持たせるかは出て来ません。やはり、タイムループの制限設定を仮にでも決めてしまったほうがやりやすいのではないかと思います。