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文学賞応募にあたって (No: 1)

スレ主 海山三川 投稿日時:

文学賞には応募枚数の規定があります。プロットを書いた段階でちょうどいい枚数になるかと思ったのに、出来上がってみたら少し足りない、或いはオーバーしてしまう事があります。不器用なので調整が出来ません。皆さんはどうしていますか?

カテゴリー: 文章・描写

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文学賞応募にあたっての返信 (No: 2)

投稿者 ヘキサ : 0 No: 1の返信

投稿日時:

「不器用なのでできません」と言い切られると返信側も困ってしまいますがなー。

とりあえず、いちばん狙い目は、賞の既定の文字数でレイアウトした時に、一文字・二文字で一行増えることになってしまった部分。ここはほんの少しの工夫でその一・二文字を削ることができれば20~30文字(既定の一行分)減らしたのと同じことになります。

逆もまた然りです。あと一~二文字越せば一行増えるのなら、そこが狙い目。ただ、増やす場合はやや描写を増す、というケースが多く(注:あくまで私の場合)、増える時はわりと数十文字くらいいったりします。

ちなみに親戚の子供の宿題で「書くべき五つの内容を入れ、五行二段落で文章を仕上げろ」というのを見たことがあるんですが「小学生にこれは厳しくないのか……」とか思いつつ、手伝って必死に一行を縮めました。五行二段落って二行・三行か三行・二行の違いしかないやん、死ねるわこれとか思いましたが、手伝わせてもらって逆にこっちが成長した気分です……。

文学賞応募にあたっての返信 (No: 3)

スレ主 海山三川 : 0 No: 1の返信

投稿日時:

ありがとうございます。私が悩んでいるのは30枚の予定が25枚ぐらいにしかならなかった場合で、1行2行の話ではありません。別のエピソードを入れようとすると物語全体の雰囲気が変わってしまうので、筋書きはそのままで、部分部分を膨らませて行こうと思ったのですが・・・・うまく行かないのです。

文学賞応募にあたっての返信の返信 (No: 9)

投稿者 ヘキサ : 0 No: 3の返信

投稿日時:

他の方のスレを覗いて名前が出た時点でイイネ!を思わず入れてしまったhexaです。

>30枚の予定が25枚ぐらいにしかならなかった場合

はい、削る場合ではなく足す場合でという話なのですね。先程も言った通り、削るよりも足す方がわりと楽です。「描写」ってのは増やそうと思えばけっこう増やせます。

例を挙げると、故栗本薫はこの「描写」が非常に好きだったということで、グイン・サーガでお気に入りのキャラが死んだときに一巻まるまる葬式の描写にあてて他作家を呆れさせた、ということすらあります。本人曰く「自分の小説は足そうと思えばどんどん長くなる」とも言っております。

ただ、気になるのは「30枚」という規定が実際の規定なのかどうかですね。これ本当に短編だとすると長編300枚での5枚の増加は難しくないんですが、もとの規定数が少ないと、描写であっても一部だけ増やすと違和感があるかもしれません。仰る通り部分部分を増したほうが、という気持ちになるのもわかります。

ですが、5枚×400字=2000字というと、web小説の短めの一話ぶんにも相当します。ひとつ緩急の「緩」が必要そうな場所を見極めて穏やかなワンシーンを挿入するというのもありかもしれません。

どちらがベストかは難しい判断になると思いますが、両方やるというのもありです、応援してます(^_^)/~

文学賞応募にあたっての返信 (No: 4)

投稿者 ふ じ た に : 0 No: 1の返信

投稿日時:

小説の解析ツールがあるので、もしバランスが悪かったら、そこを直せばいいので、文章を追加する目安が分かりやすいかも。

https://ennach.sakura.ne.jp/Morph/index.html

元々問題なかったら修正の必要はないと思うので、お役に立てず申し訳ないです。

文学賞応募にあたっての返信 (No: 6)

投稿者 サタン : 0 No: 1の返信

投稿日時:

5p10pくらいならキャラ描写を追加すればすぐ埋まる。
例えば「守銭奴な主人公」の場合、
元は「謝礼はないのか? 助けてやったろ? 諭吉一人でええんやで?」的なシーンで守銭奴を表現してるとして、
そこに「アクションゲームで残機ってあるじゃん? 諭吉くんも同じで残機は多いほうが安全だと思うんだけどなー?」的な倍プッシュエピソードを追加する。
こうしたキャラ描写は、単に演出を増やしてるだけなので全体の流れも雰囲気も変えず、ほぼ変更を必要とせずに追加だけでページを増やせます。
キャラは書いて損はないので、ページが足りなけりゃ最初に考えるのはキャラ描写の追加ですね。

多い場合は、やっぱりキャラ描写ないし描写自体がストーリーに影響せず削ることが出来る場所なので、でも主要キャラの描写はあんまり削るとキャラを読み取れなくなるので、サブキャラなど主要キャラ・話の本筋以外の場所で削る。
これも5p10pくらいなら、の話。
規定の1/4~1/3くらい足りない・多い場合は、そもそもプロットの設計ミスなので、脱稿しててもプロットから見直します。
ありがちかなと思うのは、序盤を丁寧に書きすぎてる場合などで、キャラや世界観や設定の説明を序盤に詰め込んでるって事が割とある。「コレを先に説明しないと~」的な感情がそうさせてしまうんだろうね。
でも、意外とそんな説明は無くても話は通じるし、序盤を前倒しして導入部分を丸ごと削っていきなり物語を始めても、割と読者はついてくる。
この序盤はけっこういじれるので、脱稿した後にプロットを見直して序盤を縮小し、序盤だけ書き直す、という事もよくやってました。

逆に1/4くらい足りない場合は、たぶん、「設定を説明してる」って場所がけっこうあると思う。特に序盤に。
例えば「魔術は魔力がないと使えない」という設定の説明など。
これを、「主人公に褒められて気を良くした師匠が極大魔術を披露し、ぶっ倒れて「魔力が切れた、屁も出ない」と言ってる間抜けな姿を見て、覚えたての魔術はほいほい使うもんじゃないなと主人公は思った」というエピソードを作る。
読者に「魔力が切れるとこうなる」という学習をさせる事で設定を描写する。
言うまでもないけど、地の文で説明するよか文字量は一気に増えるので、「設定を説明してる箇所」をエピソード化して描写してくと1/4くらいすぐ埋まる。
もちろん、これも追加する文字量が多いので、エピソード化する設定の候補をピックアップしたらプロット時点から練り直す。
追加だけで済めばいいし、でなけりゃ追加エピソードを出しやすいように一部変更することもある。
でも基本は「設定の説明をエピソードにしただけ」なので本筋の物語に影響はなく、物語自体に手を加えてるわけではない。

本編に手を加えずページを増減させる手段はこんなトコ。
これは私の癖や執筆スタンスから来るものだと思うけど、見ての通り、削るより加筆するほうが楽。
削るのは序盤の縮小くらいしか方法を知らない。同じように展開を前倒しすれば序盤以外でも出来るけど、本筋でそれは雰囲気変わるしあんまやりたくないしね。序盤の導入部分だから影響が少なくて済むわけだし。
加筆する場合はキャラ描写の増加で1P単位で調節できるし、設定のエピソード化や新規のキャラ描写の追加などで短編サイズくらいなら増やしていける。
物語次第では適当な伏線などを序盤に追加してもいいし。
足りない場合はほんとどうにでもなる。
なので、普段は元から規定よりやや少なめに書き上げるようにしてる。

新人賞ってことを考えると……まあ、今じゃもう通用しないかもしれんけど、10ページに1ページだけ行を一行増やしてプリントするとか、ちょっとセコい裏技みたいのも一応はありました。
微妙に行間あけてページを水増ししてる人なんてのもいた。
Webからのデータ入稿な昨今では使えないし、もともと推奨できるものではないし、まあ割とバレてるものですが。

文学賞応募にあたっての返信の返信 (No: 7)

スレ主 海山三川 : 3 No: 6の返信

投稿日時:

ご丁寧な説明ありがとうございます。なにせ80歳を目前にして初めて小説を書こうとしているので、分からない事ばかりです。でも、少しずつ勉強させて頂きます。

文学賞応募にあたっての返信の返信の返信 (No: 8)

投稿者 サタン : 0 No: 7の返信

投稿日時:

80!
そりゃ、ひょっとしたら来る場所が間違ってるかもしれない……。
ココはライトノベル、つまり10代向けの小説を主として創作活動をしている場です。要は漫画みたいな小説の事ですね。
文学賞というのも、そうしたライトノベルの新人賞と考えて答えておりました。
どんな小説を書かれているかもわからないので想像で書いてしまいますが、文字通りの文学でしょうか。
純文学や一般文芸、有名所で直木賞や芥川賞みたいな作品。
だとすると、ライトノベルはエンターテイメントであり文学ではないので、創作面において文学作品とはだいぶ考え方が違ってくるかなと思います。

文学作品となると、難しいなぁ……
エンタメ小説のラノベはあくまでエンタメなので面白く楽しい物語が正義で、とにかく話を転がして個性的な登場人物で場を盛り上げてゆき、浅く広くが基本かなと思うのですが、
文学作品ですと、一つのテーマを深く掘り下げていくようなところがあるので、ページが足らない場合はテーマを見つめ直し、作品に対して補足的な内容を付け加えると良いかと思います。
多い場合、削るのは……厳しい気がするな……
文学作品はテーマを深く掘り下げると書きましたが、つまりコレ、作品全体で一つの表現をしているので、そこから文章を削るってのは完成した絵画から色を一色だけ削ると言うようなもの、である気がする。
少なくとも私が文学作品を書いていた頃に「文章を削る」という行為はしたことがありません。
するならば、そのシーンと関係するシーンを全て書き直していました。

――とはいえ、私も文学作品はもう20年は書いてないので、参考になるかわかりませんが。
ライトノベルはここ10年でだいぶ応募環境が変わった気がしますが、文芸の文学賞はおそらくほとんど変わってないかと思うので、それで言うと、確か、長編で1・2ページくらい多い・少ないという規定違反があっても目をつむってくれることが多かったかと思います。
短編や掌編だとけっこう規定ピッタリなことが求められます。

とりあえず今、目の前にある規定オーバーした作品をどうにかしたいということではなく、今後プロット通りに書いたとして規定通りに書くコツは何かあるか? という話をすると、
とても簡単な方法が一つあります。
規定より短く収まるようにプロットを作ってみると良いでしょう。
先の返信でも書きましたが、加筆することは割と簡単です。
例えば、こう考えることで解決できます。
10p余ってしまった、じゃあ、とりあえず10pでプロローグを書こう。
物語の前座を置くだけなので、物語本編の雰囲気は変わらず、一切何も手を加えることなくページを増やせます。
序盤は「物語をはじめる」ことが目的になる場面ですが、はじめるための導入部分は比較的自由になる。
例えば「ある日、私は隣人に恋をした」と、一行でいきなり物語を始めても良いですし、「主人公が隣人に恋をする過程のエピソード」を数ページから数十ページに渡って物語の導入として序盤に書いても良いです。
つまり、その分のページ数はどうにでもなる、ということです。
……まあ、逆を言えば、あってもなくてもどっちでもいいシーンが序盤にあるって事になってしまうのだけど、ページ調節用として「物語の導入部分」を意識してみると良いかもしれません。

最初は「なるべく序盤は短く書く」という方針で執筆をして、書き上げた後にページが足らないようなら「導入部分を加筆してプロローグにしてしまう」という感じです。
ひとまず、規定に届かなかった作品で試してみると良いかなと思います。
序盤にプロローグを追加してみましょう。
本編に手を加えず数ページ以上のページを増やすんであれば、それが一番簡単ではないかなと思います。

文学賞応募にあたっての返信 (No: 10)

スレ主 海山三川 : 0 No: 1の返信

投稿日時:

ちょっと書いて見ただけなのに多くの先輩方からさまざまな助言を頂きびっくりしています。そもそも文学と小説の区別も分からない素人です。
10,000文字余りなので25枚ぐらいかと思っていたのですが、どなたからかのご忠告に従い、原稿用紙の書式でページ数を確認したら29枚になることが分かりました。
これならあと少しなので何とかなりそうです。
皆さん、有難うございました。大いに助かりました。

文学賞応募にあたっての返信の返信の返信 (No: 12)

投稿者 ふ じ た に : 0 No: 11の返信

投稿日時:

すいません、指摘の前に、どこの小説の新人賞に応募のご予定でしょうか?
文学系なのか、エンターテイメント(略してエンタメ)系なのか、それによって指摘が変わるからです。

普段はあまりこういった踏み込んだ質問はしないのですが、
海山様が「区別がつかない」と書かれていたので、質問をさせていただきました。

文学とエンタメは、自動車の免許でいうならば、自動二輪と普通自動車くらい、私は違う感覚です。
道路交通法と同じように、共通で学べることはあると思いますが、
文学とエンタメは方向性が全く違うので、エンタメ系のことしか知らない人からは文学系の指摘は難しいです。
その逆も同様に難しいです。

なので、文学系を目指すなら、文学系だと明記したほうが、
目指すべき方向性へ導いてくれる指摘が来やすくなると思いますよ。

ただ、他の方が書かれている通り、こちらのサイトはそもそもエンタメ系なので、
文学系にも詳しい方がいるかもしれませんが、少ない恐れがあります。

文学賞応募にあたっての返信 (No: 13)

スレ主 海山三川 : 0 No: 1の返信

投稿日時:

ぼけ老人のつまらない質問に丁寧にお答えいただき有難うございます。
エンタメなのか文学なのかと言われても、よく分からない素人です。応募を考えているのは北日本文学賞です。理由は30枚の短編だからで、良し悪しはともかく30枚ぐらいなら、私でも書けるかなと思ったからです。
こちらの投稿鍛錬室の「短編の間」に14枚の愚作を投稿しました。北日本文学賞に応募しようと思っているものとは別ですが、私の文章の傾向はお分かりかと思います。
例えばこれを膨らませて20枚ぐらいの作品に仕上げるとしたら、どうなりますか?

文学賞応募にあたっての返信の返信 (No: 14)

投稿者 ヘキサ : 0 No: 13の返信

投稿日時:

 前のコメントでの訂正:名前が出た時点で→年齢が出た時点で、でお詫び致します。
 とりあえず、鍛錬室に投稿した場合は掲載する板は「ノベル道場」のほうがいいと思われますので、次回からそちらをご利用ください。

 投稿室の仕様か、wordなどの段落開始の一字下げが反映されないので、お手数ですがまずそこを訂正していただくとよろしいかと。あと、縦書きを前提にされている場合はなるべく漢数字を使われたほうがよいと思われます。文字数の増減に地味に響く可能性がありますので。

 で、原稿用紙換算し(20字×20行にしましたが、賞の規定によっては違う場合もあります)、禁則処理を施し、疑問符・感嘆符の後はとりあえず一文字開けと仮定し(最近は空けなくてもよいという賞もあるそうです、個別にご確認ください)、ときどきあった不規則な行開けを通常一行、回想シーン突入時は三行と仮定させていただいて17枚と出ました。これだけでもこういう誤差が出るんですねー……という感じです。

この感じですと、店長や経理の女性や料理長、村長等の各登場人物の外見描写を初登場の際に入れるだけでも3枚埋めることができそうです。「○十代の」「白髪交じりの」「小太りの」「深く皺の刻まれた」「やや低い(高い)声の」といった修飾語をうまく入れられそうな気がします。同様に初めて出る風景も、レストランであれば「薄暗い店内でステンレス製の調理器具が鈍く光る厨房」「滝の雰囲気に合う和モダンなデザインの客席」、滝付近であれば「澄み渡る蒼空」「心地よい風」「やや汗ばむほどの陽気」など(即興で考えたのでちょっと陳腐な表現ばかりで申し訳ありません)など書き連ねていけばわりとすぐ埋まるのではないのかと。

 文体はどことなく新聞や雑誌記事のようなドキュメンタリー風で、良くも悪くも「固さ」があり、いい意味では「飾り甲斐のある内容」、悪く言ってしまうと「まだ骨格だけ」と思えました。個人的に会話に「」を使わずに地の文で済ませてしまうというのは私は結構好きでして、他の作品はわかりませんがこの作品には合っていると思います。神視点というのか噺家視点調にもなっているので、私は他の作品でしたら「あんまりおすすめできないけどなー」と言ってしまうんですが、文学の新人賞であれば語り口で魅せる、ということをしてもいいかもしれない作品かと思います。

 ただその一方で、全体に物語調にするために大きく引き伸ばすこともできる作品ですので、その場合視点を誰に固定するべきか迷います(一般的に短編は視点を統一するのを推奨されます)が、これはやはり山崎店長の視点ですかね、最後に供養をするのも彼ですから。回想シーンはそこだけ村の古老の語り口でいけばいいと思います。で、これ(視点の統一)をやってしまうと文章が2~5倍ほど膨れ上がる可能性もありまして、大幅な改ざんになってしまうので今回は省略させていただきます。

気が向いた時にどこかの講座サイト(ここの研究室にもありますが、ライトノベル向きですので他サイトもご利用いただくとよいかと)で視点に関する記事を少し眺めてみては、と思っております。以上、何か参考になればと思います。

文学賞応募にあたっての返信の返信 (No: 15)

投稿者 ふ じ た に : 0 No: 13の返信

投稿日時:

返信ありがとうございます。
北日本文学賞を知らなかったので調べてみたところ、選者が芥川賞受賞作家で、芥川賞はウィキペディアによると、「純文学」みたいです。

なので、私はエンタメ系しか知らないので、これ以上作品についての指摘は申し訳ないですが無理です。

ただ、基本的な文章作法が守られていないようなので、
以下のサイトに書かれている作法をお読みになられて直されたほうがいいと思いました。
https://www.raitonoveru.jp/howto/c1.html

ではでは、失礼いたしました。

文学賞応募にあたっての返信の返信の返信 (No: 17)

スレ主 海山三川 : 1 No: 15の返信

投稿日時:

hexaさん、ふじたにかなめさん、有難うございます。繰り返しますが私は80歳を目前にして、無謀にも生まれて初めて小説を書こうなどと思ったボケ老人です。言われることはいちいちごもっともで、私には知らなかったことばかりです。前途多難とは思いますが、ボケがこれ以上進行しないようにするために、いささかでも役立つかと思いますので頑張って挑戦してみようと思っています。

文学賞応募にあたっての返信 (No: 18)

投稿者 あざらし : 0 No: 1の返信

投稿日時:

書き込みされている諸氏、また対する海山三川さんの返信を一通り拝読させて頂きました。以下、おもうところを書かせて頂きます。

>原稿用紙の書式でページ数を確認したら29枚になる

応募の規定は『その通りに書けることを含めて審査』と認識された方がよいように思います。
これは『29枚が28枚になったらダメ』ということではなく、同レベルの作品が複数あった場合、規定ピッタリに書けている作品がよい、という意味です。

あくまで”おそらくは”ですが、雑誌記載を念頭に置いての規定になっているように思います。奇数で始まって偶数で終わるという一般的なページ組ですね。
公募側からすれば『受賞した後に小説誌での執筆依頼を念頭に置いている』というような場合、『依頼枚数に応えられる力量があった方が良い』のは紙面作りにおいて自然な流れになります。

>そもそも文学と小説の区別も分からない素人です。

書き込み時点では具体的な賞が解りませんし、文学そのものが結構幅広いので、純文学から文芸までいれます。
以下は個人的な価値観です。
文芸は無論、文学も娯楽です。
読んで面白いことが大前提。
ただ、面白いの方向性が異なります。(面白いは便利な言葉ですが広義の意味です)
特に近代芸術(ここでの近代は百年単位ですが)は、どのジャンルも娯楽芸術の色合いが強くあります。
モネもピカソも頭をガツンとやられますし、マーラーもショスタコーヴィチも心が揺さぶられる面白さがあります。
文学小説だって面白いのは当然、さらに作品を通して、作家と読者の間に生まれる相互作用、これにより感覚や精神を変動させるパワーを持ちます。

もうちょっと砕けた書き方をさせて頂くと、映画ならアカデミー賞作品賞。発祥当時は芸術作品賞と作品賞の二部門ですが、すぐに統一され現在の姿になっています。
(風と共に去りぬ)(ベンハー)(ロッキー)(アマデウス)(ブレイブハート)等々、もちろん人それぞれ好みはあるでしょうが、どれもが面白い作品です。

小説だってヘミングウェイも川端康成も面白いからこそ読み継がれています。ちょっと尖りすぎてノーベル文学賞を逃しましたが遠藤周作氏も夢中になって読む面白さがあります。

あくまで個人的意見ですが、文学賞を目指されるなら読んだ人の人生になんらかの影響を与えるテーマ性。突拍子もないことより普遍的な価値観。こういった辺りが避けて通れない道ではないでしょうか。
文芸に近くなっても、これは程度問題。
仮にライトノベルでも一緒です。『読者の心を揺さぶる』どのような形であれ(言葉は悪いですが)『手慣れたプロが手癖で書く小説、プロの凡作を凌駕する魅力がある』こういった作品が受賞しているように思います。

>投稿鍛錬室の短編の間に14枚の愚作を投稿しました。

単なる読者が人生の大先輩に対して失礼な言葉を吐きますが、飛び込まれる世界がプロを対象にされてますので、プロ予備軍の作品であるという前提で率直な感想を書かせて頂きます。

先に、好き嫌いで書きますが、私は好きです。
ですが申し訳ない、小説にはなりきっていません。
正直に申しますと、小説として書かれたのか、執筆に際しての概要を投稿されたのか、特に冒頭から中盤にかけてしばらく判断に悩みました。

現状は草案。
大サービスで脚本。
もっと小説に近づけて欲しく思います。

ずっと『こんなことがありました』形式で綴られていますが、これをもっと物語として読ませて欲しい。

例えばですね、
【それは何と、山崎家の惣領息子の壮一郎だった。】
物語になりきれていないので、【それは何と、】と書かれても文字の意味以上には伝わらない。
【それは何と、】これを読者の心の中に発生させるのが小説です。

権太と加代の件はまさに小説的ではないヶ所です。
こんなに読者をグッと引き寄せるべき部分を『こんなことがありました』形式で書くのは勿体ないです。
おそらくは、こういったことに対する答えが海山三上さんの文章を小説に化けさせることになるように思います。

しかしながら、散見される問題点は技術的なこと、『もっと小説らしく』に終始しています。
いいかたを変えれば、書き慣れれば面白く読めそうだという予感があります。
人生経験からくるのか、表現力的なことは悪くなく、むしろ芳醇なものを感じさせて頂きました。

ここからは海山三川さんの作風に関わることですので話半分で。
多分に好みに近くもありますので、「そういった意見もある」程度に目を走らせて頂きたく思います。

感覚的な話しで申し訳ありませんが、現状の書き方、文体、表現、こういったことが良くも悪くも20世紀初頭の作風っぽい。微妙なニュアンスですが”古い”とは異なります。
有島武郎を食材にして、江戸川乱歩を調味料に薄味で仕上げる。隠し味に吉川英治と大杉栄。こういう感じでした。
ここに宮沢賢治の柔らかさがあれば、もっと印象が違ったと思います。

もう一点。
””この内容のままで””小説として書かれるならば、現状の14枚を20枚にするのは至難の業だと思います。
もちろん書き方、文体や表現方法によって必要枚数は異なりますが、ページ数が超過するように思います。
それぐらい現状は小説ではなく『物語のあらまし』になってます。

が、””この内容のまま””でなければ、20枚に納めることができるはずです。
物語を楽しむための必須前提条件、読者が承知しておくべき物語舞台の知識、それ以外が非常に多いです。
特に前半部分。
舞台の説明、ここらは長編の書き方です。じわりじわりと物語に引っ張り込む方法。
この点、文章は読みやすく一定の効果もあります。
しかしながら、短編でまとめる全体を見通してのページ数とは相性がよくない。
つづく村民の採用だとか、入札もそうですし、税金もそうです。必要性が乏しくスッポリ抜けても差し支えのない場所が多いのに、読者が読みたい肝心な物語があらましになっていて楽しめない。
スポットライトを当てる場所が散漫で、もっと絞り込む必要を感じます。

全体的にですが、短編は娯楽性と比例して発想力が強く要求されますので、ネタの選定を入念にされた方が良いように思います。

最後になりますがお勧め作品を。
【石黒正数著:Present for me】
小説を学ぶ時、小説から学ぶのは誰でもするであろうことですので、あえてジャンルを変えて。
おそらくは縁遠い世界を選ばせて頂きました。
お勧めすべきか、かなり悩みました。短編集ですが漫画です。
長編にもできるネタを短編に刈り込む手法、もとより短編のネタにスポットライトを当てる方法が理解しやすいと思います。

映画の方がよろしければ【ジム・ジャームッシュ監督:ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年)】をどうぞ。
オムニバス形式ですが、短編の見せ方、物語のまとめ方が理解しやすいと思います。

【伊坂幸太郎著:アイネクライネナハトムジーク】
短編連作ですので若干趣旨から外れますが、長編の多いベストセラー作家の短編です。

執筆頑張って下さい。
応援いたします。

文学賞応募にあたっての返信の返信 (No: 19)

スレ主 海山三川 : 0 No: 18の返信

投稿日時:

あざらしさん、長文の解説、有難うございます。
小説になっていない、とは私自身、感じていました。仕事の関係でビジネス文書のようなものは現役時代に書いたことはありますが、文学とは全く別のものです。でも、そこから抜け出せないでいるのだと思っています。言われたことを肝に命じてもう一度原案を点検してみます。
応募はしますが、当然、1,000人もの応募者の中から入選するなどという事はあり得ないと思います。結果ではなく、挑戦することが大切だと思っています。でも、出来たら第一次予選ぐらいは通過出来れば励みにはなるので、それを目指そうと思っています。

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タイトル:文学賞応募にあたって 投稿者: 海山三川

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