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タイトル:無能異界の批評 投稿者: カイト

はじめまして、カイトと申します。
公開されている分をすべて読ませていただきました。
総評としては、少しキツイ言い方になりますが、「ハードファンタジーというには軽すぎる」です。言い換えれば、「ストレスなくサクサク読める作品」。内容自体がそこまで悪いとは思いませんが、「ハード」という単語を「異世界なのにチート無双がない」という意味で使っているのなら、別の単語をお勧めします。
以下、細かくみていきます。

○ハードファンタジー?
まずプロローグですが、これはすごく良かったです。世の中舐めてる良いとこのボンボンが、並以下の努力で人生を渡って行こうとしている姿勢に、「ハードファンタジー」への期待が高まりました。そんな主人公が一度は打ちのめされ、それでもそこから這い上がっていく姿が見たかったんですね。
ですが、転移後の彼の動きは
・自力でジャングルから脱出しようとする過程で親切に二人に出会い、
・魔力のない異端な存在であると判明するが特に排斥されることもなく、
・知恵と勇気で蠍退治に貢献する
という、無能どころか超有能な活躍ぶりです。
「何もできない」「足手纏いだ」と落ち込んだりもしますが、いきなり異世界に転移して何かできる方が本当はおかしな話で、正直そこはハードではなくごく普通です。異世界じゃなくても、新卒社員はたいてい一度はこの考えに陥るのではないでしょうか。
前述しましたが、この展開が悪いわけではありません。ストレスなく読み進められるし、人によれば爽快感や優越感(ヒデキより俺の方が頑張ってるぜ)が得られるかもしれません。
ただ何度も言いますが、「ハード」ではないかな。少なくとも私は、そうは思えませんでした。
内容ではなく、キャッチコピーとあらすじの再考をお勧めします。

○主人公は無能なのか
前述しましたが、ヒデキはとても有能です。現代日本から血生臭い異世界にいきなり飛ばされて、チート能力・魔力なしにあれだけ動けるんですから。
前世界での「無能」と異世界での「無能」は、少し意味が違いますよね。前は「何もできない奴」、異は「魔力がなくて魔法が使えない奴」。そこの区別をはっきりさせて上で、ヒデキが異世界で活躍できる理由がなにかないと、違和感やご都合主義と取られる恐れがあるのではないかと思います。
たとえば、
「実は人並み以上になんでもできる主人公。そのことを妬まれいじめられたトラウマから、無能に振る舞っている」
とか、あるいは
「サバイバル技術、格闘技術には特化しているが、一般的な日常生活スキルは壊滅的」
とか。ヒデキの活躍に納得できる理由が欲しいなと思いました。

○一人称の視点主は、コロコロ変わらない方がいい
第五話において、ソフィアの視点とヒデキの視点が入り乱れますが、これは読んでいる側は結構混乱します。視点主はなるべく変えない方がいいでしょう。
一方で、第九話の独白のようなルシファの一人称は、物語中で謎や残忍さを際立たせるのに効果的だったと思います。情景描写がほぼないのも、なんだか不気味で良かったです。

こんな感じでしょうか。
showedさんの気にされている点については
①良い点:テンポよく読める
 悪い点:キャッチコピーと内容の齟齬
②特に大きな問題はないかと。地の文での状況説明は把握しやすかったですし、セリフによるキャラクターの書き分けもお上手です。
③こちらも、特に違和感は感じませんでした。

長々と色々書いてしまいましたが、素人の一意見ですので、合わないと思ったらスルーしてくださいね。
最後に、カクヨムの近況報告を読ませていただきましたが、「見る人がいなくなっても気長に続けたい」と書かれていたのはとても好感が持てました。
作品を完結させるのは体力も精神力も必要で、
当たり前のことのようでなかなか難しいです。陰ながら応援しておりますので、頑張ってください。

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