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タイトル:カンジョウの批評 投稿者: 丹風 雅

「そんなの不公平にも程があるだろ。」

この作品の、というよりこの作者の良さをこの一文からはっきりと感じ取りました。

普通の感性の人がこの流れで書くのは「純粋 」「素直 」「感受性豊か」とかそんなところです。私がどう考えても「不公平」という言葉は書けないでしょう。

そして突拍子のない言葉選びでもありません。他人に共感できる素直な性格を普通と捉えるのでなく、それが公平であり、そうでない自分は不公平な扱いを受けていると感じているわけです。
その直前に「虐待された子供のドラマ見たら虐待された気になる」と、素直なのはいい面ばかりではないとしておきながら、それを皮肉るでもなく、そういう感受性を持てるのが公平だと。

公平不公平というのは誰かがそう扱って生まれるものです。つまり感受性や性格はその人本来のものではなく誰かが選んで与えたもので、自分が受け取ったのは素直なものではないから不公平だという、とても屈折した考え方をした人が語り手なのだと、冒頭の「不公平」というたった三文字に詰まっています。

文章などは書いていけばこの先上手くなるし、この世の作品はストーリーも設定も今やすべて使いまわしです。
でもあなたが今持っている感性はどれだけ小説を読んで勉強しても身につかない宝物です。

この冒頭の不公平という言葉の使い方を、私は十年は覚えていると思います。それほど印象的でした。

この先成長してこの文章を直したくなったり消したくなることがあるかもしれませんが、どうかこの冒頭だけはどこかに残しておいて、「不公平」という言葉選びの凄さにご自分で気がつく日が来る事を願っています。

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