5話まで読みました! 勇者が新たな魔王に君臨するという設定と、それを魔王の弟視点で語ろうとする点に惹かれました。
批評募集中とのことで、自分の意見が何かのお役に立てれば幸いです。以下気になった点です。
①主人公に焦点が当たるまでが長い
あらすじから読み取る限り、「少年と少女の物語」が本題だと思うのですが、そこに至るまでが長いかな、と感じました。
これは個人的な意見なのですが、少年と少女二人の活躍を楽しみに読み始めたのに、主役が5話まで出てこないのはもどかしく感じます。また、序盤がこれだけ長ければ「運命が動き出す」までもきっと長いのかな、とも。
2-4話までが「お兄さんが魔王になるまで」のお話ですが、自分ならここはカットするかなと思います。「魔王討伐に出掛けた勇者兄が、何故か魔王になった」という内容さえ伝われば良しという考えからです。
②地の文の使い方
文章構成についてですが、地の文が説明と動作描写でほぼほぼ埋められている点が気になりました。もっとキツイことを言えば、全体を通して説明口調な点が、せっかく楽しそうだと思って読み始めた読者様を逃がしてしまうかもしれません。
特に序盤においては、「これだけは今のうちに知っといて欲しい」ということだけに絞って語ると、より良くなるでしょう。
また、自分は情景描写は最低限派なのですが、それにしても少ないかなと感じました。読者様が何となくその場の風景を思い浮かべられるレベルまでは描写してあげるとより丁寧でしょう。
……と思ってたら、情景描写の少なさは自覚がおありなのですね。お気持ち良く分かります。こんなにエラそうに言っておいてなんですが、自分も苦手なので……。
「場面設定類語辞典」という本がオススメですよ。この本は各場面(学校、海など)ごとで受ける五感をシンプルにまとめたものです。これをベースに、プロの作家さんが描いた情景描写を真似てみると良いかもしれませんね。
例えばですが……1話目では、この村の様子がもっと分かれば良いかなと思いました。これは世界観及び舞台設定を伝えるためがまずひとつ、もうひとつは、平和な村だと強調しておいた方が、5話目で崩壊させた時によりドラマチックに仕上がるためです。
世界観をまだ掴みきれていないため具体例が難しいのですが……。剣の稽古をつけて貰っている主人公に、「がんばってね」って、亜人の少女が行商用の特産品を分けてくれるとか。それが馬車で城下町まで出掛けているなら、この世界におけるおおよその文明レベルが分かりますよね。特産品からは気候や風土を伝えられるでしょう。亜人の少女が出てきたら、ファンタジー世界であることが分かります。ぜひぜひ、鳥片吟様ならではの素敵なファンタジー世界を描いてみて下さいね!
あと、これは完全にいーぴん個人の話なのですが、美しい描写がウリの作家さんでない限り、情景描写が長いと途中でダレてきてしまいます。
この経験から、情景描写を入れるにしても、場面の中心はあくまで主人公だということは忘れずに、お話の流れに組み込んで……と自分は気をつけています。(本当は読者様のお眼鏡に叶うくらいの美しい描写が出来るのが一番なんですけれどね。難しいです)
それから、地の文の使い方として、心理描写も少なめかなと思いました。(でも、これは5話目までしか読んでないからかもしれませんね。的外れだったらすみません)
色々書きましたが、あくまでもいーぴんただ一人の意見なので、あまりお気になさらないで下さいね。あらすじから面白そうな雰囲気は感じましたよ! 何かの参考になれば嬉しいです。