最初、主人公の会話相手の姿が見えないのが気になります。幼馴染の校内での評価を、聴衆の反応で示せるチャンスだと思うのです。地の文で済ますのは少しもったいないかな、と。
後半になって唐突に「二人きりの時の呼び名だ」「昼休みの時は初凪もギリギリ隠せていた」と解説されるのが後出しな感じです。
これに限らず、全体的に設定開示やキャラ配置の取捨選択がアンバランスに思えました。主人公の家族関係の話など。
それと、少し文章の推敲が足りないように感じました。わりと最初のほうからちょくちょく誤字脱字が見られます。(この言葉を譲らないぞからな!→ぞ・からな、のどちらか一方にすべき、等)
盛り上がる前に終わって、短編としては「灯油撒いたけど火をつけてない」みたいな感想です。もうちょい先も見せてほしい、という意味で、物足りなく思います。
ちなみに、幼馴染ヒロインが負けやすくなったのは「幼馴染が勝つのは当然のことであり、勝っても面白味がなくなったため」という考察を読んだことがあります。昔は幼馴染ヒロインって基本的に有能でしたし、積み重ねた時間が違いますからね。浅倉南とか。