「マリリンや有りの実ふたつ汁しとど」の批評
回答者 丼上秋葵
おはようございます!
今日も元気に、おくらです。
恐縮ながら、御句「有りの実」の句に感想を述べさせていただきます。
前回の「梨」の句から推敲をされたのですね! 工夫なさった部分の句意はちゃんと伝わってきています!
【金を磨る】のは縁起が悪い、【金が当たった】と言い換えよう。忌み言葉の「するめ」を避けて「あたりめ」と言い換えたように、「梨【無し】の実」を「【有り】の実」と言い換える。日本の言語文化の繊細さは本当にすごいと思います!
マリリン・モンローの胸は豊満ですものね!【無し】と形容できるような、貧乳じゃあ、ありません。
「有りの実」=「梨」は確かに水気たっぷりですが、さすがに「しとど」に「汁」が垂れ落ちる程のものには、滅多にお目にかかれません。甘美な果汁がそれ程までに含まれている、それだけ「マリリン」は魅力的なのだという気持ちを切れ字の「や」に読み取ることができます!
漢らしく、清々しい句だと思います!
少しでもご参考になれば、幸いです。
点数: 1
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◆季語
梨/なし
三秋
梨子/長十郎
二十世紀/洋梨
有りの実/梨売/梨園
秋の代表的な果物
の一つ。赤梨の長
十郎、青梨の二十
世紀など品種も多
い。水分に富み甘
みが強く、食味が
さっぱりとしてい
る。
物干にのびたつ梨の片枝かな
惟然 「藤の実」
小刀の刃に流るるや梨の水
毛条 「松のそなた」
梨むくや甘き雫の刃を垂るる
正岡子規 「子規全集」
仏へと梨十ばかりもらひけり
正岡子規 「子規全集」
梨くふは大師戻りの人ならし
正岡子規 「子規全集」
すゞなりの小梨に村の曇り哉
正岡子規 「子規全集」
日毎日毎十顆の梨を喰ひけり
正岡子規 「子規全集」
~きごさい~
◆他の例句
プロレスヘ梨がころがり梨走る 坪内稔典
梨園の番犬梨を丸齧り 平畑静塔
洗はれて罅あらはなる飾臼 坂梨文代
避寒宿椿林の中にあり 公文東梨
日にほてりたる秋茄子もぎにけり 川上梨屋
花梨の実高きにあれば高き風 池上樵人
梨売りの頬照らし過ぐ市電の灯 沢木欣一
梨売に炭鉱の路地雨溜る 皆川盤水
青き梨我より高き子へ与う 寺井谷子
大山の月さしてきし梨番屋 由木みのる
梨もいで青空ふやす顔の上 高橋悦男
小梨日和の吊橋 やはり揺つて渡る 伊丹三樹彦
梨狩の抱いてもらひし子供かな 細川加賀
(推敲句です)