「新涼やペダルも軽き往診日」の批評
回答者 ハオニー
この方は、小さな島の唯一のお医者さんなのでしょうね
新涼と診療をかけているのは気がつきました
「新」と「診」、「(新涼の)ou」と「往」で韻を踏んでいるあたり、遊び心がありますね
だから新涼と往診が外せないということも分かるのです
だから今回は「も」をテーマにします
俳句をかじっている人には、「も」を好む人と好まない人がいるのです
好む人は基本的に説明したい人です
読み手の想像を促すために、敢えて「も」を使うのです
逆の意見をこちらの句で見てみましょう
新涼やペダルも軽き往診日
作者は答えを知っているのでしょうが、読み手には「ペダル以外に何が軽いのだろう?」という疑問が生まれます
この疑問が読み手に迷いを与えてしまうのです
その原因は「も」という助詞にあるのです
読み手の解釈に迷いを与えるような句は、基本的に評価が上がらないものです
我が道を行く人には、それほど大きな問題ではないのですが(
試しに、私の句で「の」を「も」に変えてみましょう
原句
お下がりのベルトのほつれ原爆忌
変更した句
お下がりのベルトもほつれ原爆忌
これ、どちらがいいと思いますか?
ちなみに私は「も」にする気はありません
俳句は読み手の想像を促してこそですが、無理に想像させる必要がないと考えているからです
俳句は読み手の解釈に託される部分が大きいので、しっかりと作者の意志を持たせることが大事なのです
点数: 4
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夏の暑さも一段落、患者さんの容態も一安心。先生の漕ぐ自転車も軽やかに駆け抜けて行きます。言葉遊びも入れてみました。