「白菜も微塵に切るや介護食」の批評
回答者 イサク
こんにちは。
ちょっと長文になります。
中七最後の「や」は切れ字で、基本的にはここで意味が切れます(切れない使い方もありますが、この句では切れそうです)。
俳句の意味が「白菜を微塵に切ったもの」⇒「介護食」という繋がった句ですので、ここに切れを入れない方が良いですね。
上五の「白菜も」の「も」も曖昧なので(「他の野菜・肉も」などのイメージだと思います)、季語「白菜」への焦点が呆けますから一旦回避します。
これが第一段階です。
・白菜を微塵に切りて介護食
第二段階。
助詞を変えてみましたが、内容は「白菜を微塵に切って介護食にしましたよ」という散文の状態のままです。
例えば語順を変えたり、「微塵」とあるので「切る」を省略したり、「白菜」に注目したり、などと「詩」の形を意識してゆけばよいかと思います。
・白菜は微塵の介護食となり
・介護食白菜微塵となりにけり
第三段階。
俳句はできるだけ要素を減らした方が、秀句となることが多いです。
例えば某番組の某永世名人の玉ねぎの句。
・玉葱を刻む光の微塵まで/梅沢富美男
玉ねぎに注目して、みじん切りにされた玉ねぎを表現した秀句です。
御句では「介護食」がはずせないのでここまでシンプルにはできないのですが、良句を作るためには、何かを削ぎ落していく必要がある、という点も今後のご参考に。
点数: 1
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旬の白菜は柔らかくて美味しいです。それでも義母の介護食を作る際には、トントンとみじん切りにしてましたね。