「梅雨寒し平宗盛命乞い」の批評
回答者 卓鐘
コメントありがとうございます。
三段切れについて僕の理解を補足しておきます。
名詞を三つ並べたときとコメントにありましたが三段切れは切れが三つある場合です。
切れとして一番分かり安いのは、や、かな、たり、けりなどのいわゆる切れ字や活用語の終止形、命令形の場合です。切れてないのが一番わかり安いのは、てにをは、の、活用語の連用系がある場合です。
ただ形だけではわからないものもあります。御句がまさにそうです。平宗盛命乞いでご本人としては平宗盛と命乞いは繋がっている意識なので切れはないと感じてると思います。その通りで明らかにここに切れはなく繋がってます。なので厳密には三段切れではないです。
ただ三段切れがなぜうまくいかないことが多いかというと、理由は2つとおもっています。一つは、調べが窮屈になって趣が出ないことが多いから。二つ目は切れによって17音しかないのに二回も場面がかわると目まぐるしいから。
御句の場合、意味的にはきれてはいないので二つ目の問題はないです。ただ一つ目の問題があります。平宗盛命乞を音読してみるとなんか命乞いが安っぽく聞こえませんか?中9と2音字余りにしてでものを入れるとその字余りの重々しさが句で伝えたい思いをあらわしているように感じられませんか?のがないと勢いはでます。ただこの句のばあいがその勢いが軽さになってしまいます。
とそんなこんなで本当は三段切れではないけれど、本質的には三段切れ同様のリズムの問題が生じています。
長々とごめんなさい
点数: 2
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6月に処刑された平宗盛が平末国と改名させられ、処刑間際まで命乞いをしたそうです。
武士の時代は情け無用で人を殺さなければなりません。
400年近く続く無慈悲の時代の幕開けは、きっと梅雨の寒さのように嫌なものだっただろうと思い詠みました。