「一京の冬の波ありチバニアン」の批評
回答者 腹井壮
添削した俳句: 一京の冬の波ありチバニアン
鼻かむなティッシュにするなキムワイプ
チャンバーで吸ってくれぬか嫁の愚痴
川柳 in the ラボ
https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/products-and-services/promotions/2017/senryu-in-the-lab-2017.html
で見事没った句です。
やっぱりキムワイプネタは類想が多かったのでしょう。チャンバーで本当に吸って欲しいのは同僚が発するサンダル履きの足の匂いだったのかもしれません。
おはようございます、ハオニーさん。
いつもお世話になっております。
この句を読んで上五の「一京の」が美しいとか斬新とか。冬の波で動かないとか。チバ二アンに着眼したところが素晴らしいとか。確かにそういう評価は間違っていません。綿密な計算に裏打ちされています。でもそれは「木を見て森を見ず」です。
俳句は一瞬を切り取る文芸で時間の経過を描写するには向いていないと云われていました。
しかし、
旧道や蔦のバス停時刻表 は旧道という時が止まったと錯角させる瞬間からわずかですが刻々と時間が経過している事を描写しています。
古団地錆びたブランコ風に鳴く この句は来るべき日本の未来を詠んでいます。
ハオニーさんは一瞬を詠む事で77年前までタイムスリップさせてしまいました。
この三句は従来の俳句とは最初から時間に対する概念が違っています。そこがとても興味深いと思います。
とくに添削すべき点はないと思いますが気になる事が二つ。「チバニアン」の表記が今後動く可能性があるというのが一つ。
最後に文法上の問題で「一京の」が「冬」に係るのか「冬の波」に係るのかハッキリしません。それ次第でイメージが変わてきます。
ハオニーさんがどっちでもエエやんと思うのでしたら原句のままに、拘るのでしたら推敲すべきだと思います。
長文失礼致しました。
点数: 1