「匙入れて熟れし西瓜のしぶき飛ぶ」の批評
添削した俳句: 匙入れて熟れし西瓜のしぶき飛ぶ
この句の美しい所を述べたい。
熟れた西瓜というのは、種から始まり、雨の日も風の日も時には嵐や雪にまみれたかもしれない。
それを全て栄養にして立派に成った西瓜の飛沫が今まさに飛び散る瞬間というのは、
人生の喜びや悲しみも全て受け入れて、それを肥やしにして立派になった人間が今まさにその溢れんばかりのエネルギーを世界に放射する瞬間と同じなのだ。
そこが美しいのだ。
それを西瓜に喩えたさりげなさに痺れるのだ。
俳句を詠んできて、こんなに明るく前向きな気持ちになったのはこの句が初めてである。
この句と出会えた巡り合わせに感謝している。
点数: 1