小説の創作相談掲示板:小説の書き方Q&A。執筆の悩み相談をしよう!

ワルプルギスさんの返信一覧。最新の投稿順1ページ目

元記事:重複表現

今夜の夜伽はどうなさいますか?

という文章を見たのですが、これは重複ではないのですか? 

上記の回答(重複表現の返信)

投稿者 ワルプルギス : 0 投稿日時:

夜に伽をするから夜伽なので、
>今夜の夜伽はどうなさいますか?
は確かに重複表現ですね。避けるなら
「今夜の伽はどうなさいますか?」
になるでしょう。

しかし『夜伽』はともかく『伽』という言葉では通じにくいと思えば、あえて重複表現を選ぶのもアリなのかもしれません。
とりあえず"今夜の夜伽"でググってみたところ36,500件。
有名重複表現である"後で後悔"の1,110,000件とは比べ物になりませんが、そこそこ使われてると言ってもいいかもしれませんね

カテゴリー : 文章・描写 スレッド: 重複表現

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元記事:新しいライトノベルの新人賞の返信

1500億円になってますが……(爆)。

これって、どういう詐欺なんでしょう?
応募作を盗んで、自分の名前で応募し直すとか?

なんか、「鎌倉ものがたり」(原作:西岸良平)に、そんな話があったな(推理専門の雑誌を創刊するからと、有名作家を騙して原稿をせしめ、自分の名前で応募しようとした)。

上記の回答(新しいライトノベルの新人賞の返信の返信)

投稿者 ワルプルギス : 4 人気回答! 投稿日時:

>落選した作品でも光るものがあれば、出版されることがあります
>ただしその場合、作者に印税は一切入りません(応募時に著作権をすべて放棄しているため)

……つまり、これをしたいんじゃないですかね、主催者側は。

カテゴリー : ストーリー スレッド: 新しいライトノベルの新人賞

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元記事:主人公の弱点の返信の返信

大野さん、いつもありがとうございます。

>如月さんのキャラ造詣や設定はいつも大体、『ちょっと作りこみすぎ』レベルでよくできているんです。
>ただし、全ての物を『作りこみすぎ』るせいで、尺に対して情報量が過剰になって、結果何も表現できていないだけで。

えっと……最近ワルプルギス様に「細部の作り込みが甘い」ことを指摘する声が多い感想を頂いたのですけど、真逆の意見ですね(汗)
これは作り込む必要がないところばかり不必要にこだわっている、と受け取ればいいのでしょうか?

>尺に対して設定やキャラを詰め込み過ぎず、その分で来た余裕で『キャラの魅力がわかるストーリー』をやる。それが重要なんじゃないんでしょうか。

まあ使うべき設定と裏設定に回すべき部分の区別がついていない自覚はありますが……

上記の回答(主人公の弱点の返信の返信の返信)

投稿者 ワルプルギス : 2 投稿日時:

大野さん、フォローありがとうございます。大体あってます。
ストーリーの中で読者に上手く設定を飲み込ませていくのが出来てないってのを、最近長編の間で指摘しました。

……ただ、如月さんの設定の作りこみ方って結構一面的だと私は思ってます。
前から見れば良く出来てても、横に回った途端粗が見える。
その辺も一緒にツッコんでしまったので、如月さんの『細部の作りこみが甘い』という受け取り方も間違いではないです。

でも、まずは作品全体の作りこみの方が大事だと思いますよ。
作品自体の面白さが増せば、私のようにわざわざ横に回り込んでケチをつけるヤボな奴は減りますから。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 主人公の弱点

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元記事:主人公の弱点

どうもこんにちは。
誰かさんがまた爆発したせいでスレッドが流れているようだから、過疎を促進しないためにもスレを立てさせて下さい。高頻度ですみません。

これまでのスレで散々苦情が来た主人公の弱点のことで相談します。
相談したいのは前何度かスレで話したホムンクルスの主人公です。詳細な設定はプロローグ相談掲示板を参照してほしいのですが、このスレだけでも完結するように要点だけ抜き出してキャラの解説をします。

シャーロッテ(愛称シャロ)
TS転生したホムンクルスの主人公です。
拳銃で戦わせる予定のキャラクターで、魔眼も持っています。
ちなみに魔眼の能力内容は「描写がおっくうになるな」と思ったので当初のものから「魔力による威圧効果」というものに変更しました。
後述する三人は上司だがユークリッドとクラウディオには一切敬語を使わない。逆に女性陣の前では途端に大人しくなる。あとお客さんの前では普段の不敬を自重する。

ユークリッド
シャーロッテを造った錬金術師で、個人経営の事業を営む若大将です(大体30歳前後)。
基本的に寛容な性格で、お客さんに失礼なことをしない限りはシャーロッテを含めた周囲を甘やかしがち。

クラウディオ(相性クラウ)
ユークリッドの弟で、冒険者です。遠征の時は兄を護衛するのが仕事です。
兄に不敬な口を利くシャーロッテとは仲が悪く、常に喧嘩が絶えなません。

ヴェロニカ
ユークリッドの屋敷(兼事業所)で働くメイド長です。シャロは彼女が好きで今回の相談で重要になる人です。

で、本題の主人公の弱点ですが、私は戦闘に影響が出る弱点を主人公に持たせるのがあまり好きではないです。
理由は弱点を突くことに特化した敵への対抗手段を根性や主人公補正にしたくないからです。
だからメンタル面の弱点を多く用意しました。
ただこの手の弱点を作っていると「やりすぎたらキモくならないコレ?」みたいな疑問に度々襲われていて、さじ加減に迷っています。
ちなみにこの主人公の主な弱点は以下にしました。

●酒癖が悪い
とにかく酒が大好きで、仕事帰りの夜によく酒を飲みます。
屋敷の倉庫にある酒を勝手に持ち出して部屋で飲むのが当たり前で、管理するメイド達(特にヴェロニカ)の手を焼いています。
メイド達は持ち出しを禁止したいのですが、安易に禁酒命令を出すとストライキを起こす上、錬金術師のユークリッドが「それで君が元気に働いてくれるならいくらでも飲んでくれ」と言って甘やかすから黙認せざるを得ないという感じです。

●女の子と話すのが苦手
異性愛者がTS転生しているから主人公の恋愛対象は女性です。
あと転生前の親族のしつけによって「女の子を大事にしない男は最低」という意識を刷り込まれているため、「怒らせないように、嫌われないように」という常に防御反応が出ているかのような接し方をします。
女性だけの席に立たされると赤面して固まりっぱなしになるくらいです。

ちなみにヴェロニカはこの弱点のことをあまり良く思っていません。
理由としては社長やその弟には散々なめ切った不敬を働くのに、この三人では一番下っ端の自分にはドキドキしながらでも丁寧な言葉を使うことを「自分よりも礼儀正しくするべき人にしていないのに、自分にだけ丁寧なのがいい子のふりをしているみたいで気に入らない」と思っているという感じです。

前者に関してはコンセプト元のキャラクターがこのような感じだったので、ここを自主規制すると別物になるからこのままにしたいのですが、後者の扱いは心配です。
ちなみに主人公がユークリッドを舐めているのはユークリッド自身が上下関係にあまりこだわらない性格をしているのが原因の一つになっています。
クラウを舐めている理由は単純に自分がクラウより強いからです。あと彼の喧嘩腰な態度も原因です(原因を作ったのは他ならぬ主人公ですが……)

上記の回答(主人公の弱点の返信)

投稿者 ワルプルギス : 3 人気回答! 投稿日時:

毎度のことですが、スレ主さんは「設定として弱点をどう作るか」じゃなくて
「その弱点をストーリー内でどう使うか」を考えていくのが良いと思いますよ。
「酒癖が悪い」にしろ「女性と話すのが苦手」にしろ、色々使用法の先例は不自由しないので、設定としてはもう十分だと思います。
なので、「二日酔いで上手く動けずピンチに陥る」とか「口の上手い女性に言いくるめられて普通なら受けるはずのないヤバい仕事に巻き込まれる」とかそういうストーリーの中での使い方を考えていくのが良いですね。

特に、ヴェロニカとの仲を進めていくのであれば、2つ目の弱点の使い方は割と大事。
最初は反感もってる状態で初めて、メイド仲間に「あれはあんたに惚れてんじゃないの?」とか言われて意識しちゃったり、かと思えば怪しい女に鼻の下伸ばしてとんでもない依頼押し付けられて「女なら誰でもいいんでしょ!」とぶんむくれてみたり。
なんてラブコメ妄想がはかどりますね。

カテゴリー : キャラクター スレッド: 主人公の弱点

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元記事:警察があまり絡まない理由付け

前々から構想していたヒーロー物のプロットが出来上がって来た所だったのですが、タイトルにある通り「警察がそんなに関与してこない理由付け」に少し悩んでいます。
この話の世界観では登場するヒーローの存在はそこそこ民間に存在が知れ渡っており、もっと言えばヒーローとは名ばかりのチンピラも増えた事から改めて法規制する事も検討されているという状態にあります。
この話のメインはある大手のヒーローチームが国会にカチコミに行こうと画策している事がメインなのですが、話が出来上がっていく一方「警察を頼る」という選択肢を取らない理由に自分自身悩むようになりました。
物語上は主人公らになんとかさせた方がいいというのは自分自身よく分かっている以上ここはなんとかしたいのですが、なかなかいい理由が出てこないでいます。

現時点で考えてあるのは。
・本編前に起こった悪の組織じみた物との戦争から充分に回復していない(ただ本編は件の大戦から25年後の事で、行政やインフラは普通に機能している描写をしたので我ながらいささか不自然に感じる)
・メインヒロインが例の大手ヒーローチームのリーダーの娘で、このまま父らをしょっぴかせたら彼女の人生までメチャクチャになるという主人公の懸念

何も完全排除する必要は無く、多少絡む形になってもこの際構いません。
何かいい理由付けはないでしょうか。

上記の回答(警察があまり絡まない理由付けの返信)

投稿者 ワルプルギス : 0 投稿日時:

サタンさんの言うように「元々頼っても無駄」という形でもいいと思いますし、
「頼ってみたけどダメだった」でもいいんじゃないですかね。
警察がヒーローチームを邪魔できるぐらいの力があるなら、ヒーローチームの方も国会カチコミ作戦を考えた時点で警察を排除する方法を考えるでしょう。
例えば、偽情報流して警察の眼を別の場所に引き付けておく、とか。

カテゴリー : 設定(世界観) スレッド: 警察があまり絡まない理由付け

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元記事:陰キャの成長は陽キャとなることなのか?

こんにちは、サイドです。
普段は掌編などでお世話になっている者です。

質問についてですが、タイトルの通り「陰キャの成長は陽キャとなることなのか?」です。

今、応募を目指した学園ラブコメを書いており、物語としては、
「カースト最下位の陰キャ主人公が、トップスリーの陽キャヒロイン達と出会い、ある事件を経て成長する」
がテーマになっています。

最初に作ったプロットの最後は、
「殻に閉じこもりがちだった主人公が、ヒロイン達を大切にし、視野を広めて前向きになる」
でした。

しかし、執筆が終盤に差し掛かり、「陰キャが陽キャへ変化する(陰キャの記号を陽キャのそれへ入れ替える)=成長」ではないのでは? と思う様になりました。
「陰キャ」と「陽キャ」という言葉が使われるようになったのは、ここ数年のことだと思います。
ですが、少し古い小説やアニメを見ても、「内向的な少年が、成長して前向きになる」は存在するので、物語の形としては王道だと理解もしているつもりです。

ここでどうして主人公が陽キャの属性に近付くことに違和感を持ったのかというと、

〇上記した「ある事件」とその解決法が、ヒロイン達といることで広まった妬み、嫌がらせなどの悪い噂の原因を見つけ、対処、解決することに比重が置かれているから

だと、考えました。

もしも、それらの悪い噂にはっきりとした犯人(例 カースト十位の嫌味な優男など)が存在し、それを打ち負かし、成り上がっていく作風であれば、主人公の成長が陽キャへ近づくのは納得できると思います。
しかし、書いていくにつれて主人公の行動指針は「悪い噂の解明と対応、及び解決」だけであり、成り上がりには興味のない人物になっていきました。
結果、競争心のない人物像となり、ラノベらしくないのでは? と感じています。

そこで、最後に辿り着く二つの主人公像を考えてみて、その判断をお聞きしたいと思っています。

一 他と関連、比較させてみて、初めて自身の存在をとらえ、最下位という劣等感を克服しようとする、相対的な判断をする主人公 
(比較という性質を持つため、競争や成り上がりへの意識が強い)

二 他と関連、比較などはせず、出会いを経てカースト最下位という自身の存在をとらえ、劣等感を持っている自分も自分だとする、絶対的な判断をする主人公
(優劣の意識があまりない為、ありのまま気楽に構えていればいいやと割り切っている)

個人的には、僕自身の性格が「二」寄りなので、そちらの方が書きやすくしっくりきます。
繰り返しになりますが、物語に「カースト十位の嫌なやつ」(この場合、悪い噂を流した張本人)などの明確な「敵」が存在せず、交流を経た内面の成長に比重を置き、成り上がりの性質は少ない為、話の流れとしても「二」が納得できると感じています。

ですが、ラノベ的にはカーストというランクがあるのなら、ヒロイン達の助けを借りつつどんどん駆けあがって行く、「一」の様な性格になる方が王道のような気もしています。
また、先に挙げたような「絶対的な評価」の主人公像をラノベ業界であまり見た事がないので、自分の書きたいものを書いているだけで需要や王道を無視しているのでは? とも感じています。

この二つの主人公像や現在の需要、自分としては違和感があっても多くある王道へシフトする方がいいのか? に悩んでいるので、何か助言をいただければ幸いです。

上記の回答(陰キャの成長は陽キャとなることなのか?の返信)

投稿者 読むせん : 0

えっと私の頭が悪いせいか・・・一つ質問いい?成長するのは主人公だけなの?

陽キャ・・・・と見せかけた人間的に軽くてKYだったキャラが、主人公の探偵パートに一噛みして、陰キャと見下していた野郎のポテンシャルを知り、敬意を抱くようになる。
とかは成長にならんの?

周りが変わってくれるなら陰キャの主人公も、「一見陰キャだが、めっちゃ頼りになる兄貴ポジ」とかのカースト昇格あると思うんだけど?

カテゴリー : ストーリー スレッド: 陰キャの成長は陽キャとなることなのか?

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投稿日時:

元記事:登場人物の名前の決め方について

はじめまして。とのこです。
私は魔法少女ものを書こうと考えているのですが、登場人物の名前を考えるのがとても苦手です。
主人公は、ニンゲンの六花(りっか)
あだ名は、花(はな?ハナ?表記にも迷ってます)です。訳あって柔和な少年のような格好をしています。この場合、苗字も考えた方がいいのでしょうか?

そして、悩んでいるのはハナの相棒の名前です。
魔法使い見習いのお転婆な女の子。生まれつきの魔力が大きく、それをうまく制御できないので
魔法学校の成績は落第寸前の落ちこぼれ。でも前向きにがんばるー!!……的な感じなんですけど、名前が思いつきません。
こはくとかポポとか思いついたのですか、どれもしっくりきません。

皆さんは登場人物の名前を、どのように決めますか?詳しく教えてくれると嬉しいです。
また、魔法使い見習いの少女の名前も募集します。良さげなのがあったら教えてください。

上記の回答(登場人物の名前の決め方についての返信)

投稿者 大野知人 : 0

これは前にある有名小説家さんがやってたのにあやかってるだけなんですが、僕は『地元の地名』とか『親戚にいる面白い名前の人』とか『作りたいキャラと性格の似ている知り合い』とかから名前もらってくることが多いっす。
三番目の奴は流石に漢字変えるとかしなきゃですが、他の二つはそこそこはまって見えたりします。よ

カテゴリー : キャラクター スレッド: 登場人物の名前の決め方について

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投稿日時:

元記事:創作論の投稿

間違ってるところあったら直してください。

読者は「現実」に対して一種の先入観を抱いている。ファンタジー小説を読むのは読者の住んでいる世界という「現実」とのギャップがあるからだし、ミステリーが面白いのはまず小説で提示された情報に抜け穴があり、物語の内部という「現実」とのギャップが存在するからだ。

「現実」は読者の偏見や先入観によって構築される。ギャップが物語という媒体で提示されなければならないのは(つまりスーパーのポップにでかでかと貼ってあってはいけないのは)読者のそうした先入観を次々と裏切っていくことで読者の持つ常識に別の視点を加えることが目的だからだ。

読者は本の中で提示された設定と今までに身に着けてきた常識とを組み合わせて物語の中の世界をイメージする。このイメージを推意と呼ぼう。推意は物語を読み進めるにつれて次から次へと更新されていく。読者の抱いていた推意に対する確信が強いほど、そしてまた読者がその推意を覚えているほど、それが裏切られたときのショックは大きく、常識が書き換えられた気がする。

読者が強い推意を抱いていない状態でそれを裏切る設定を公開しても強いショックは与えられないし、またそうした設定に説得力がない場合も同様である。スーパーのポップに何らかのメッセージを貼る行為は、読み手の興味がないこと(=先入観を抱いていないこと)を根拠なく提示している点で、ショックは与えられない。
本の場合はある出来事を事実だと思い込ませたり推意への反論となる根拠を散りばめたりする時間が豊富だからこそそうした行為が可能となる。

物語の最後で主人公が女性だと判明する展開が読者に面白いと思われたのは、それまでの話で読者は主人公を女性だと思う根拠がいくつも与えられ、しかもそれらが女性でも行い得る行為だったからに他ならない。「春が二階から落ちてきた」という文の次に長々と言い訳のような文章が続くのは、読者に複数生じるであろう推意を一つに固定化し、読者の先入観を早々に更新し終えて次の推意を行う準備を済ませるため(つまりチェーホフの銃が発生することによって読みにくくなるのを防ぐため)だ。

ここで二つの小説の冒頭を見てみよう。

1.
”①うだるような暑さで目を覚まして、カーテンを開くと、窓から雪景色を見た。
②青々と茂った庭の草木に、今もちらちらと舞い落ちている綿のような雪は、いずれ世界を一面の白に染めるだろう。路上に人の行き来は絶えている。昨日、川向こうの花火大会を見届けた窓にぺたりと頬をくっつけ、あたしはその冷たさと静寂に、ひとつ震えた。"(伴名練『なめらかな世界と、その敵』 〇段落番号は私)

(ネタバレ注意)第一段落では複数の解釈が発生する。可能性が高いと考えられるのはどちらかが比喩である可能性だ。しかし第二段落で少なくとも比喩ではないだろうこと(つまりこれが超自然的な現象であること)が分かる。すると解釈の取りうる範囲が絞り込まれ、読者は異常気象などの要因を考える筈だ。すると解釈があまり多様でなくこの場で重要でもないと思われるような他の出来事は無視されるようになると考えられる。この文の後、主人公の教室には転校生がやってきて何か問題を抱えているようなしぐさを見せるが、そのとき読者の行っている推意のなかではその問題は日常の一部分にすぎず、現在解明されようとしている謎とは関係がないと思われるがゆえにそれほど印象に残らない。読者はその出来事をこれから謎を解明していくために筆者が立てた道具としか考えない。だからこそ物語をストレスなく読むことができる。

2.
"国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。"(川端康成『雪国』)

この文は一見1.で述べた考えと矛盾している。「国境の長いトンネルを抜ける」の主語が不明であるという点と「夜の底が白くなった。」の意味するところが不明な点とが多様な解釈を生んでいるがその答えは最後まで分からない。
1.の文章との違いは第一に解釈の幅が狭い点であり、第二にそのどれだったとしてもストーリーを理解するのには差し支えないと思われる点だ。
1.では複数の解釈があり、かつそれが少なくとも比喩ではないことが明かされる。つまり物語を理解するための重要な前提条件としてその謎が提示されている。読者の目を向けている対象たる謎が主人公ではなく世界観であるために、その他の出来事はせいぜい謎を解き明かすための道具としか認識されないし、どうでもいいこととして推測される。
2.「国境の長いトンネルを抜ける」の主語は汽車か乗客の主人公であると推測される。これは読者が読み進めるにあたっては問題ない表現だと言えるかもしれない。1.と違って世界の根幹に影響するような大規模な謎を提示しているとは考えにくい。どちらの解釈だったとしても主人公はその場にいると考えた方が自然だ。
「夜の底が白くなった。」も同様である。少なくとも「夜の底」として指示されているものの中に主人公は居ないと考えられる(もっとも関連性の高いものを挙げるとすれば、空とか地面とかの筈だ)し、また主人公は葉子という女性の素性を知りたがっているが、「夜の底が白くなった。」が何を指しているのか(つまり夜中に何かが光って見えたことをそう表現しているのかどうかなど)がそれに影響している確率は低い。さらに言えばこの文のすぐ後に闇の中明かりを下げてやってきた男の存在が、この比喩が単に情景を写したものである可能性を補強し、解釈を絞り込んでいる。読者が常識的に考える範囲では、物語の全体像をこの時点ではある程度推意することが可能だ。

1.と2.をまとめれば、次のようになる。
「謎は、推意される世界観が複数発生してしまう(解釈が多様である)ことにより発生する。」
「謎には序列があり、読者が重要だと思っている出来事に関する謎ほど読者の目に留まりやすく、読者はそれ以外の出来事に対しては無難な解釈をする。」
「謎を解決する過程でまたもう一つの謎が発生し、しかもその真偽によって最初の謎の答えが変わると考えられる場合、読者はストレスを感じる。」

加えて言うならば、テレビアニメの多くが場所のカットから始まるのは場所に対するヒントが十分でなければより序列の低い謎に対する注意が向きにくく、読者にストレスを与えることになるからだ。
また恋愛漫画の登場人物が素直に自分の感情を伝えたほうがいいと言われるのは、解釈をひとつにまとめることで「本当に愛しているのかどうか」という最大の謎を解決するためだ。

裏を返せばそれは、上記のような問題がない限りヒントは少なくて構わないということにもなるだろう。二次創作はしばしば原作にある矛盾を登場人物の恋愛感情等が原因であると解釈して行われたり、登場人物同士にあり得たかもしれない関係を想定することで行われたりするが、これらは推意の多様さを逆手に取り自分自身で視点を変革する行為でもあるだろう。解釈の多様さは生活を豊かにしてくれる。

以上を踏まえれば、下のような条件が考えられる。

"物語はその時点で序列の最も高いものから順番に、読者が求める答えに到達するまで謎を解いていくプロセスである。それがより序列の高い謎の答えに影響しないように見える限り、謎はいくつ置いてもよい。"

以上。
「序列」の高低や「読者が求める答え」がどのように決まるかということと、他に例外はあるのかということがまだよく分かっていなませnが、一応何かを真似るときの指針になるのではないかと思いました。

上記の回答(創作論の投稿の返信)

投稿者 サタン : 1

ぶちゃけ「創作論」は究極的には「俺がそう思ってるから俺の中では正しい」だと思うので、間違いもなにも、そういうのは無いと思う。
ただ助言をするならば、そんな小難しく考えるのではなく、シンプルに考えたほうが汎用性が高くなるし他者にも理解されやすいと思うかな。

>"物語はその時点で序列の最も高いものから順番に、読者が求める答えに到達するまで謎を解いていくプロセスである。それがより序列の高い謎の答えに影響しないように見える限り、謎はいくつ置いてもよい。"
私の解釈では、「物語は変化を読むもの。それが何であれ、例えば弱者が強化になるという変化、それを書けばその過程が物語になる。Aという状態がA'という状態になる、その落差が開けば開くほど面白味は増す」という感じですね。
物語の最小単位は文章だと思っているので、面白みのある文章も同じですね。
例えば
>国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。
こちらは暗闇の「トンネル」から「雪国」に景色が変化してるし、「夜」という真っ暗(真っ黒)な印象から「白くなった」と印象が変化してる。
>うだるような暑さで目を覚まして、カーテンを開くと、窓から雪景色を見た。
こっちも同じ。「暑い」という印象から「雪」という真逆の要素へ変化してる。
もちろん、これはあくまで「私の解釈」なので正解を言ってるつもりはありませんし間違いの指摘でもありません。
全ての文章でこんなことしてたらくどいだけだしね。

あとは、そうだ、もう一つ助言というか思ったことがあった。
>「謎は、推意される世界観が複数発生してしまう(解釈が多様である)ことにより発生する。」
他2つの結論も同じだけど、これら答えは正しいかどうかは置いといて、「だから何」というところが抜けていると思う。
スレ主さんが疑問に思ったことがあって、それを自身の創作論で答えを出した、そこまでは良い。
けれど、ここまではただの「考え」であって、その「考え」には再現性がない。
つまり、その「考え」をどうやって自身の作品に活かすんですか? という話。そこが抜けている。

例えば、
>「現実」は読者の偏見や先入観によって構築される。ギャップが物語という媒体で提示されなければならないのは(つまりスーパーのポップにでかでかと貼ってあってはいけないのは)読者のそうした先入観を次々と裏切っていくことで読者の持つ常識に別の視点を加えることが目的だからだ。
こちらは私の解釈とは少し違うけど、この解釈において、作品にとって大事なのは「じゃあ、どうやってソレ(スレ主さんが言うところの推意)を構築していくのか」であって、何となく書いてりゃ現実と創作の世界観とのギャップで読者の中に出来ていく、なんてものではない。そんな簡単なものじゃない。
そういう意識を持って気をつけて書いていけば、と考えても、だからそれどうやんの? という事になると思う。

以前、創作論を語ってくれた別の方にも書いた言葉なのだけど、こうした教科書か参考書のように小難しく考えてまとめる人の創作論には、具体性が決定的に欠けている。
曖昧で抽象的で、実例を出したところで自身の創作論で分析をしているまでで止まっていて、それをどう再構成つまり自身の作品へと再現していくか、という視点にまで届いていない。

けれど、これは別にスレ主さんの創作論を否定してるわけではない。
スレ主さんの解釈による結論において、「謎は、推意される世界観が複数発生してしまう」「謎には序列があり、(略」「謎を解決する過程でまたもう一つの謎が発生し(略」と、「物語」ないしその構成要素を「謎」と表現し、これを中心に考えるというのは面白いと思う。
なにも創作には正しいことはないので、「謎」という観点から物語を紐解いていく事は、まあ、「シャーロック・ホームズ」とかの時代から研究され尽くしているし、チェーホフの銃というワードが出てることからスレ主さんはミステリの勉強をしているのだと思うけど、研究され尽くしているが故に、その当時のミステリ論は逆に今の時代のエンタメ小説に合ってるとは言い難いので、いま再研究することには意義があると思う。

あとは、スレ主さんのヒントになればと思ったことが一つ。
>「序列」の高低や「読者が求める答え」がどのように決まるかということ
物語が「Aが殺された、殺人事件だ、ミステリだ」となれば、当然のこと読者の関心は「Aとは何者か」や「Aを殺した犯人は誰か」という事に向かう。
これは何故かと言えば、「そういう話だから」という簡単なこと。
例えば、ドラえもんは「ドラえもんのひみつ道具でのび太が何かする」というのが本筋であって、ドラえもんってのは「そういう話」でしょ。
スレ主さんの解釈を使うと、このような推意を読者は得るわけだ。
けれど、その推意を裏切って「のび太はひみつ道具に頼らず一人で勉強をして良い点を取る」と展開しても面白くない。最終回ですかって内容になっちゃう。
読者が求めるものは、むしろ推意によって得た「そういう話」の期待感にある。
物語の本筋、「ドラえもん」を読んでるんだから、読者は「ドラえもん」を読みたいのよ。
だから、「ドラえもん」の本筋に当たるもの、この場合は「ひみつ道具」ないし「ひみつ道具でのび太が何をするのか」が読者が求めるものとなり、読者が求める答えとなる。
まとめると、
読者が求める答えというのは、物語の本筋そのもの。また本筋に関連する話題。そして序列の高低とは、その「本筋の話題」からどれほど離れている話題・要素であるか、というのが序列になる。
いまさらだけど推意の解釈が間違ってたらごめんね。

カテゴリー : 創作論・評論 スレッド: 創作論の投稿

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