元記事:キャラの行動原理を言葉で説明するか動きで示すか。
仮に、「僕は誰かを救って死にたいと常々考えていた」と「太郎は少女を助ける為に車の前に飛び込んだ」という文章があるとします。両方の文章共、「僕」と「太郎」が誰かを助ける為には命を投げ出す人物である、という事を念頭に書きました。
前者は言葉による説明で、後者が動きによる説明となります。そこで質問です。
作品のテーマを体現するキャラクターの行動原理は、言葉による説明で示してもよいのでしょうか? やはり、言葉では無く、行動で示す物なのでしょうか?
ご回答よろしくお願いします。
上記の回答(キャラの行動原理を言葉で説明するか動きで示すか。の返信)
投稿者 サタン : 4 人気回答! 投稿日時:
これは、難しいですね。答えがないような気がします。
場合によって適切解は違うでしょうし、書き方によっても違うでしょう。
誤解を招くかもしれませんが、基本というか考え方で言うと、これは両方必要です。
というのも、「僕は誰かを救って死にたいと常々考えていた」という言葉による「僕」の心理状態を説明しているからこそ、後に続く「太郎は少女を助ける為に車の前に飛び込んだ」という文章が「救って死にたい」に対する描写となっているわけです。
これが片方だけ、「太郎は少女を助ける為に車の前に飛び込んだ」だけしか書かれていないとすると、同じ一文ですがこれは「太郎の行動を説明しているだけ」なので、描写にはなっていません。
描写とは「場面をありありとえがく事」で、よくある講座などには例文として「桜の花びらがひらひらと舞い落ちて~」みたいな一文があったりします。
こういうのは間違いではないのですが、よくある講座のミスとして、そもそも「描写したい事は何かを提示していない」というのがあります。
この例文の場合は「4月頃の花見時期の風景」を描写したいと読み取れます。「桜の花びら」とあり簡単に読み取れる例文なので問題ないとも言えますが、この例文を読んだ人は半数近く誤解することでしょう。「詩的にかっこよく書くことが描写なんだ」と。
まあ、これも完全な間違いではないので誤解はいずれ修正されてくと思いますが。
描写で大事なのは「描写したいこと」のほうであって、その表現の如何ではありません。
描写は、簡単に言えば「描写したいこと」に対して「それっぽい事」を書けばいいので、例文の場合は「花見の時期にありそうな風景」を考えて「花びらがひらひらと」と添えてるわけですね。
で、御作の場合、まず描写したい事はキャラの行動原理、つまり「僕は誰かを救って死にたいと常々考えていた」なので、これを読者に知ってもらわねばなりません。
そのうえで「太郎は少女を助ける為に車の前に飛び込んだ」とあるので、この太郎の行動は「行動原理に対する描写」になります。
ですので、「僕は誰かを救って死にたいと常々考えていた」の一文が出てくるまでにそのキャラの行動原理が読者に伝わってる書き方をしているのであれば、これは不要な一文であり「行動で示すべきだ」と答えられます。
一方で、大事なのは「描写したい事のほう」なので、短編で文字数がキツイとか序盤の出来事だからさっさと進めたいなど事情がある場合、描写は諦めて言葉だけで説明してしまったほうがスムーズだ、つまり「言葉で説明したほうが良い」と答えられます。
もちろん、理想は両方あることですし、小説的に言えば行動原理の提示さえも描写で読者に伝わるようにしたいと思います。
……まあ、それはエピソードが増える一方なのであくまで理想でしかありませんが。
カテゴリー : 文章・描写 スレッド: キャラの行動原理を言葉で説明するか動きで示すか。
この書き込みに返信する >>