御作は冒頭から設定説明が多すぎます。
> プロローグは、世界観の説明とキャラのやり取りを入れたくて書き上げました。
この狙いだからそうなるんでしょうけど、読者としてはまだ知りもせず、従って興味があるどころか、興味を持てるかどうかも分からない冒頭で、世界観を説明されても読みたくならないのです。
独特な世界観自体が魅力になるようなら別ですが、御作はそうではありません。「ゼロの使い魔」とか「フリージング」みたいな世界観かな、という印象は生じますが、だから読もうという意欲にはつながらない。
それに世界観というより、世界についての設定を述べているといったほうがよさそうなのです。これから物語に使われる設定とはいえ、小道具の説明ばかり書き連ねてある感じです。物語(キャラ、ストーリー、ドラマ等)が面白いと感じたら知りたくなりますが、御作のプロローグは「先に勉強してから読め」と言われているような気がしてしまいいます。
具体的に数字で見てみます。全体は8,781文字あります。設定と思った部分をカウントすると1,479文字です。全体の17%ものが設定説明です。
特に冒頭からの設定説明比率が高く、設定説明が終わる部分(5,970文字)までで計算すると、25%にもなります。平均すると3行物語があって、1行説明を読まねばならない計算になります。しかも、出だしからして設定説明です。これでは読みたくなりません。
キャラもプロローグに詰め込み過ぎです。一読したところでは、何人いて、各キャラがどういう関係(婚約、主人・従者、兄弟姉妹等)なのか、掴めませんでした。読み直しつつメモしたところ、名前が出てくるキャラは以下のようでした。
1:クーヤ(男性)
2:セレス=セレスティア=ルベルプレディア(女性)
3:ハガル(鱗竜? 性別不詳)
4:ヤラエリ(鱗竜? 性別不詳)
5:ユーイ(男性)
6:オフィリア=ホーエンハイム(女性)
7:アニュアニタ(女性)
8:リオネル・バルデッサーリ(男性)
9:クーベルセント=クーセンベルト?(性別不詳)
9人です。作者さん(スレ主さん)でもおそらく持て余したのか、名前を誤記しているのではないかと思いました(上記の9)。読者ではお手上げに近い。自分でもメモして整理して、ようやくキャラの数、関係、属性等がなんとか掴めたくらいです。
これでは、まずいと思います。設定説明もキャラも、何の前提知識も持たない読者が、さっと読み下しても分かるくらいでシーンを組み立てないと投げ出してしまうのではないかと危惧します。
設定説明は、世界観を紹介したい以外には、入れておかないと分からないということがあるように思います。キャラ数が多いのも、この後に目を引く見せ場があって、テンポの速い流れだとすると、出てくるたびにキャラ紹介してはまずいから事前に説明を兼ねてプロローグに登場させたのでしょうか。
もしそうだとするとですが、構成があまりよくないといえるかもしれません。プロローグであろうが本編であろうが、出だしは「作品について何も知らずに読み始めて、すっと分かり、かつ引き込まれる」必要があります。読者は楽しみたいだけなんですから、読むのに怠惰であり、作品に無知です。我々作家(志望者)は、読者はそういうものと覚悟する必要があります。
ですので、作品の設定やキャラ紹介から入るのは、とても損です。紹介が主眼となってしまったため、目を引くシーンも作れていません。読者を遠ざける要素が目立ち、引き込む要素は盛り込み不足です。
このプロローグは、これより前にハプニングなどの目を引きシーンがあって、そこで興味を掻き立てておいてからの、第二章辺りの内容だと思います。興味を持ったら知りたくなります。逆はありません。そういう読者心理をうまく使ってはどうかと思います。