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タイトル:屍使いのままならない日々の返信 投稿者: サタン

この作品は、おそらく 見た目から忌諱されてる蟲族と人間との交流 であると思う。
けど、内容は 主人公が蟲のトラウマを克服する話 になってると思う。
つまり、「交流」のほうに面白味を見いだせるかっていうと、内容はそっちに比重を置いてないので、正直なとこ見いだせないと感じる。
例えば
>おっかなびっくりルシエラのことを理解して絆を深めていく。
と、交流部分が省略されていて、「理解して絆を深めてく」のは「トラウマを克服するため」であって「交流」のためではない。
この省略部分はサブプロットを用意すると書かれているけど、それも
>優しさを手に入れる。協調性を身につける。死を悼む心を思い出す。
となっていて、「主人公」が主体になっている。
「優しさ」も「協調性」も「死を悼む」のも主人公のことだけで、蟲族との関係性の話ではない。
もし、「いやいや、その関係性の中で主人公はこのように変わってくってサブプロットなんだ」と考えているのであれば、それは逆。
絆を書くなら「主人公が変わったことで関係性が良くなっていった」と書かなければいけないと思う。
「主人公が変わった」ことが主体なのではなく、「関係がよくなった」ことが主体になるサブプロットにしないと。
そしてこの話はサブプロットだけでなく、プロット全体に言えることで、最初に書いたけども、「主人公がトラウマを克服する」という主人公が主体になっていて「二人の関係性、異種族間の交流」という話にはなっていないと思う。

一方で、この話の主体は「主人公のトラウマを克服する話」で間違いなく、「交流」のほうは私の読み間違いならば。
すると物語の面白味は「トラウマをどのように克服するか」になるけど、その場合3つのサブプロットにダメ出しはしないけども、でも、そのサブプロットに「どうやって克服したのか」が書かれることになると思うので、省略されては面白さは感じられない。
なので、面白いかどうかはわからない。

プロット全体の話はダメ出し気味に少ししたけど、でも、その全体の構成はとても良いと思う。
というのも、この物語は大きく二分出来て、前半は「主人公がトラウマを克服する話」で後半は「主人公が蟲族の娘に思いを寄せる話(かな?)」。
序盤で「トラウマを克服する」と方向性を出して、中盤でそれを達して宙に浮いた目的意識を「トラウマ克服」から「関係性の発展」に舵を切って、関係性が良くなった終盤で大きな問題を起こしオチにつなげる。
実に良い構成になっていると思います。
ここに一つ助言をするなら、
一幕二幕と書いてることから三幕構成を意識してるのかなと思いますが、三幕構成には「ミッドポイント」というのがあります。
これは物語中盤にあって、物語のオチへ向かって方向性を決定づける、落とし所を見せるポイントです。
御作で言うと二幕のサブプロットを終えたあたりで「トラウマを克服した」ところ。
ここに「落とし所」を見せる何かが欲しいですね。
例えばガイルが復讐を考えてる描写は終盤ではなくココがいいと思うし、〆で光る魔石の指輪を送るけど、そういう指輪があるって事もココで出しておきたい。

構成は良いと思うのだけど、やっぱ内容はちょっと魅力に欠けるかなと思う。
主人公が進んで「トラウマを克服する」と前向きだから、「トラウマ」って道具が交流のための物語の障害としていまいち機能していないのがその理由じゃないかなと思う。
勝手な妄想をするけども、
こういうのは「トラウマがあるし気味悪いから毛嫌いしている」という主人公が、でも依頼だし仕事だから仕方なく守ったりしていたら蟲族が切っ掛けで優しさを知るようになり関係が少し前進し、そんなことを繰り返して気がつくとトラウマが苦にならなくなって蟲族の娘を気にかけるようになっていた。という感じが面白くなりやすいんじゃないかなと思う。
嫌ってるし偏見があるからこそ、そのトラウマが障害となってトラウマをひとつ乗り越えるごとに蟲族の娘の良いところに気がついていけるわけで、そもそもトラウマ克服に前向きだと「トラウマを乗り越えること」が目的になっちゃうから、障害になり切れなくて盛り上がりに欠けちゃう。
このあたり、たぶん3つのサブプロットがちゃんと書かれてても同じ印象だと思う。

あとは、書き漏らしかあえて書いてないか、あるいは過去ネタのようなので前提に何かあるためなのかもしれないけど、
正直、前半の「パーティー」の必要性がない。
主人公が大仕事のあとで断りきれない筋から強引に仕事を押し付けられたとか、自分にも落ち度がある事をしでかして仕事を断れなかったとか、主人公が「せざるを得ない」状況になれば問題なく蟲族の娘の護衛に出れるし、現状他のパーティーメンバーは基本的に出番がない。
ハンスは辛うじて主人公(と読者)に「蟲族に危険はない」と伝える役目があるけど、そもそもソレはセリフで説明するんじゃなく、例えば「蟲族は人を喰うと言われているが、ルシエラは主人公が作った拙い野菜スープを おいしい と言って微笑んだ」とかってエピソードを作って、「噂ほど危険はないのかもしれない」と主人公が感じる、そういうエピソードで表現していかなきゃ、これはそういう二人の関係性を語る物語なんだから。と思う。
物語のテーマや本筋以外のことならセリフでも地の文でもさっくり説明しちゃったほうが早いけど、本筋に関わることはちゃんと物語にしなきゃ。

パーティーを組んでると、最悪「俺はトラウマあるから無理だわ。ハンス一人でやって。じゃあな」で問題ないので、なぜ主人公は承諾したのか、友人だからとか魂の格がどうのとか、そういうので腑に落ちるものではないような気がする。

最後に気になった点をあと2つ。
一つは、ミッドポイントの話で少し触れたけど、敵役(ガイル)が出てくるのが終盤で唐突すぎる。
キャラ紹介を読む限りでは、プロットにはないけど序盤というかプロローグかな、に邪竜との戦闘があって、そこで因縁を抱える仲になるわけだと思うけど、終盤でいきなり出てきても「誰だっけ?」になると思う。
もう一つは、「屍使い」の設定がガイルとの因縁以外にほぼ活かされていない。
主人公が戦闘でミスって仲間に「休め」と言われるのさえ、痺れ薬を風上に投げた っていう屍使い関係ねえ状態で、屍使いと蟲族の関連性もないと思うし、トラウマにも関係ないと思う。
屍使いですって設定があるだけの状態でもいいと思うけど、それがタイトルになってるから、例えば「最強魔法使い無双」ってタイトルで「主人公は剣術で敵を薙ぎ払う」って展開ばっかだったらタイトル二度見しちゃう。これも設定で魔法使いなだけで剣術してますって話で、違うタイトルなら気にならないと思う。

>読んでみたいと思える設定になっているか不安なので
設定だけで読んでみたいかどうかっていうと、設定だけで読者の興味を惹くタイプの内容ではないと思うかな。設定良し悪しって話じゃなく。
人間と異形との交流ないし恋愛?が面白味になるから、その点を押し出せる紹介文とか煽り文句とかが読者を獲得できるかどうかになると思う。設定だけで読者を惹き付けるようなコンセプトの話ではないんじゃないかな。
>ちょっと設定が暗めなのが気になっています。
確かに明るくはないけど、暗い内容ではないのでそこはまったく気にならないし問題にならないと思います。設定はあくまで話を彩るものなので。

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