プロになりたい!方なので、厳しく(笑)。
まだ、初心者の方だと想像します。
しかし、誰もが、初心者からのスタートです。
まず、良し悪しを決める
必要最低限の「判断材料」が、バッサリと抜け落ちています。
つまり、圧倒的に情報量が足りない。
これでは、誰もジャッジ(アドバイス)してくれないでしょう。
例えば、主人公が命を狙われた理由って何ですか?
しかも、特別な力ではなく、なぜ凶器で襲われたんですか?
犯人って、何者ですか?
世界の秘密って、何ですか?
主人公の特別な力って、何ですか?
主人公の仲間の命を奪っている理由って、何ですか?
etc
あなたは、話の前後関係や、少ない情報で、読み取ってくれ、
と思っていますが、なんのことだか、さっぱり分かりません。
頭の中にある物を、すべて文字にして吐き出してください。
情報が整理されてなくても、多少の辻褄が合わなくても結構です。
あらすじ(プロット)は、ラストまで書き、すべてを晒すことが条件です。
「一緒に作って欲しい!」というのであれば、
あらすじ(プロット)を作る前に、考えて欲しいことがあります。
■まずは、「テーマ」です。
あなたが作る物語で、訴えたいこと(テーマ)は、何ですか?
例えば、「特別な力を持つ」ということは
往々にして「差別」をテーマにしている場合が多いです。
もちろん、「特別な力を持つ=差別問題」とは限りませんが、
物語の中で「特別な力」に、必然性が求められます。
バトルものを作る時、「特別な力があった方が面白そうだから」ではダメです!
主人公が「特別な力を持つこと」に、
どんな意味(テーマ)を持たせているのか、そこが知りたいのです。
例えば、マーベルコミックの「X-MAN」は、
黒人をミュータントに置き換え、差別問題を描いています。
ミュータントを扱った、ただのエンタメに見えますが、
アメリカの社会問題(ユダヤ人、アフリカ系アメリカ人、社会主義者、LGBT)を
念頭に置いて描かれています。
「多数派(白人・持たない者)」と、「少数派(黒人・持つ者)」が現れた場合、
必ず「多数派」が「少数派(マイノリティ)」を弾圧し、差別が生まれます。
多くの人に、差別問題を考えてもらうためには、
ストレートに黒人を主人公にするのではなく、
ミュータントというマイノリティを作り上げることで、
読み手の間口を広げることに成功しました。
テーマは、何でもいいのです。
「差別」でも「友情」でも「家族愛」でも「戦うことの愚かさ」でも「復讐」でも。
とりあえず、「仮」でいいので、決めておきましょう。
ここをすっ飛ばしてはダメです。ここを決めないと、何も始まらないです。
ここが決まれば、ここを「軸」に物語を精査していけます。
■次に、「対比(対立)」です。
物語を作る際は、必ず、対比(対立)を意識してください。
作者コメントで、「特別な力を持った主人公たちが、
同じく特別な力を持つ敵と戦い成長する」とあります。
同じ特別な力を持つ者同士が、“戦う理由”って「何」でしょう?
どういった経緯で、「悪と正義」に別れたのでしょうか?
この“理由”によって、「面白いか、否か」が決まってきます。
ここが「判断材料」です。ここも書いてありません。ここを教えてください。
もし「多数派VS少数派」「持たない者VS持つ者」
「白人VS黒人」など、対比した関係だと、軋轢(問題)はスグに起きます。
それを、どう解決へ導くのかが、そこが物語の基本です。
水と油という相反する物を合わせるからこそ、面白くなるのです。
もちろん、同じく特別な力を持つ者同士が戦う話は、あります。
上記でも書いた「X-MAN」も、その一つです。
「X-MAN」は、“ミュータント”と“人間”の争いというよりも
人間側に付く「プロフェッサーX」軍団と、
人間を滅ぼす「マグニート」軍団の争いを描いたモノです。
マイノリティ(少数派)同士の複雑な話です。
しかしながら、「プロフェッサーX」と「マグニート」は、
生い立ちも、性格も、まったく正反対なミュータントです。
つまり、ちゃんとキャラを「対比」させています。
映画「X-MAN:ファースト・ジェネレーション」は、
この二人の生い立ちを描き、出会い、友情を育み、最後に袂を別つまでの話です。
傑作の一つです。
白人のチャールズ(のちのプロフェッサーX)は、
先天的なミュータントで、金持ちのボンボンだったため、
人間に迫害されずに育ちました。
対して、ユダヤ人のエリック(のちのマグニート)は、
ナチの収容所で育ち、母親を目の前で殺されることで、
能力を覚醒させた後天的なミュータントです。
そして、ラストで、自分たちを排除しようとする人間に対し、ミュータント全員に、
チャーズル側(人間擁護派)に付くか、
エリック側(人間抹殺派)の付くかを決めさせるのですが、
チャールズ側は出来損ないばかりで、
能力のある者は、すべてエリック側に付きました。
それはそうです。ミュータントの立場を考えれば、当たり前のことです。
チャールズは、ミュータントなのに、ミュータントの気持ちが、
まったく分かっていませんでした。
極め付けは、チャールズと共に育ってきた美少女のミュータント
(のちのミスティーク)が女心の分からないボンクラのもとを去り、
エリック側に付くのです。
ヴィラン(悪役)役のエリックは、
リーダーシップがあり、物憂げな表情を見せたりと、とても魅力的なキャラです。
一方、ヒーロー(正義)役のチャールズは、
金持ちのボンボンで世間しらず、ノー天気な引きこもりに描かれています。
要は、欠点だらけの主人公なんです。
この設定って、とっても面白くないですか?!
「X-MAN」とは、人間側に付いた「弱小ミュータント」と、
強靭な能力を持つ「最強ミュータント」の戦いを描いています。
つまり、物語の基本である
「弱い奴」が「強い奴」に立ち向かう構図となっています。
このように、どこか、対比させる部分を作らないとドラマにはなりません。
3人の登場人物は、まったく対比を意識して作られていません。
まずは、ここを意識して物語を作ってください。
■最後に、「序破急(三幕構)」です。
作者コメントで、「特別な力を持った主人公たちが、
同じく特別な力を持つ敵と戦い“成長する”」とあります。
では、具体的に、“成長する”とは、どういうことでしょうか?
こここそが、物語の良し悪しを決める「判断材料」です。
ここも何も書かれていません。
確かに、物語を作る基本は、「主人公を成長させること」です。
では、主人公の成長とは、具体的に、どういったことを指すのでしょうか?
それは、主人公が問題を抱え、その問題を解決させていくことです。
さて、あなたの主人公は、どんな問題を抱えていますか?
あらすじには、特別な力を使って戦わないかと提案されて、それを受けます。
うわー、主人公がまったく悩んでいません。これでは、物語になりえません。
そこで、「序破急」の登場です。別に、「起承転結」でもいいです。
序(今の状況)、破(問題が起き)、急(それを解決する)という流れを作ります。
この流れを意識して、物語を作れば、それなりのあらすじ(プロット)ができます。
再度書きますが、主人公に問題を投げかけ、それをどうやって解決させるか、です。
そして、その問題を「何に」するか、です。
さらに、その問題から逃げられない状況を作り上げ、
主人公をトコトンまで追い込みます。
で、そこからの大逆転(解決)で、読者はカタルシスを得るのです。
■まとめ
【テーマ】を考え、【対比】を意識して、【序破急】の流れを作る、と。
コメント欄は、4500文字まで入ります。
あらすじ(プロット)を載せるには、十分すぎるほどの文字量です。
それを作ってから、さらに、キャラの性格・配置、設定など、
細部を詰めていけばいいと思います。
まだまだやるべきことは、たくさんあります。
序破急などは、1回で理解できないでしょう。
しかし、まずは、ここまで考えてみてください。