読者が感情移入できるキャラは誰かという話
元記事を読む
ラノベで大人主人公がいけないは、本当か?の返信(元記事)
迷える狼さんの投稿
様々な意見をありがとうございます。皆さんが大体仰っている事は、
「駄目では無いけど、受けない。売れない」
と言った感じだと思われます。
主人公の年齢が青年、もしくは大人の作品として、
「ロードス島戦記」「吸血鬼ハンターD」「GATE」
などが挙げられます。あと、歴史ものや剣豪ものだと大人の主人公が多いですが、ラノベではそういった作品は少ないです。
さて、なぜ私がこの様な疑問を投げかけたかと申しますと、まず1つ目は、このサイトの
「第1研究室 タブーこれをやってはいけない」
にある、
「幼い子供や大人を主人公にしてはいけない」
に、疑問を持ったからです。
ただし、私が皆さんにお断りしておきたいのは、決してそれを否定する訳では無く、
「全く駄目な訳ではなく、何か手段や方法があるはず」
という考えを持ったからです。
まず1つ目は、
「無双系」
です。桁違いな戦闘力を持った主人公が、敵をばったばったと叩き伏せる話です。
2つ目は、
「黒幕系」
です。
天才的な頭脳を持った主人公が、自らは(あまり)矢面や表舞台に立つ事は無く、優れた戦術や戦略、あるいは奇策をもって、次々と戦いに勝利を重ねたりする話です。
そして、3つ目は、
「教師系」
です。
主人公は成長する側では無くて、成長させる側のポジションになり、他のキャラクターを育てる存在になります。
言わば、
「育成ゲームのプレイヤー」
に近い存在になります。
例を挙げると、
「『プリンセスメーカー』の父親」
「『ワンダープロジェクトJ』のプレイヤー」
「『艦これ』の提督」
「空戦魔導士候補生の教官」
「対魔導学園35試験小隊」
などが、これにあたります。
私は、これらの要素を複数、あるいは全て併せ持ったキャラクターとして、
「大人や青年の主人公を使用した作品」
を書きたいと思っています。
なので、このスレッドを立ち上げて、皆さんの意見を仰いだと言う訳です。
もし、これらの要素を併せ持ったキャラクターが、14~5歳くらいの子供だったら、ちょっとナンセンスすぎるでしょう。
一応の理由付けとして、
「実は人間じゃ無い」「遺伝子異常などのイレギュラー」「神などの超存在の助けがある」「アイテム(や魔法)でパワーアップ出来る」
と言った事も出来ますが、どうしても無理矢理感がありますし、白ける原因にもなります。
そこで主人公を大人キャラにすれば、
「強くなったり、知識を蓄えたり、技術を身に付けた修行期間」
を設ける事が出来て、立派な理由付けになります。
なお、一応ですが、
「幼い頃や若い頃から、凄い人に師事していた」
という理由付けも出来ますが、限界があります。
余談ですが、この手の話は「美味しんぼ」や「食戟のソーマ」など、料理系に多い傾向があります。
また、同じく「巨人の星」「柔道賛歌」「六三四の剣」に代表される様に、スポ根系にも多いです。
つまり、無理が無い完璧な(もしくはそれに近い)主人公にするには、どうしてもある程度の年齢が必要になって来ます。
ただ、現在では、
「主人公の周囲も無双キャラだらけで、取り立てて主人公だけが凄い訳では無い」
「特別な能力が当たり前にあって、別段珍しくも無い」
という作品が増えて来ていますので、大人を主人公にする必要があまり無いというのが現状です。
2016/05/23(Mon)
読者が感情移入できるキャラは誰かという話
投稿者 よしはむ 投稿日時: : 0
リック・ドMさんの投稿
> 主人公の年齢が青年、もしくは大人の作品として、
> 「ロードス島戦記」「吸血鬼ハンターD」「GATE」
ちょっと違和感を覚えるラインナップのように思います。それぞれについて簡単に私見を申し上げてみます。
・ロードス島戦記→主人公は言行からして10代の特徴、ヒロインも設定年齢(長命のエルフ)に反して主人公と同程度の言行特徴
・吸血鬼ハンターD→Dは怪獣映画の怪獣に相当、感情移入しやすいのは周辺のキャラ
・GATE→主人公はオタク属性という年齢を超えた共通性、及びDと同じく主人公周辺に感情移入しやすいキャラあり
以上のようなものだと思います。スレッド冒頭から話題にしているのは、「主人公」とは言いますが、感情移入できるキャラが誰かという話であるように思います。
例えば、シャーロックホームズシリーズは、最も活躍するのはホームズです。その意味では主人公。しかし、ワトスンの一人称ですよね。天才の頭脳の働きを逐一追うわけにはいかないので(天才の描き方の問題に通じる)、天才を見て驚くキャラの視点にする。私のような一般人が感情移入するのはワトスンになります(少なくとも作者コナン・ドイルの狙いとしては)。
あるキャラに感情移入するというのは、そのキャラの視点で見ることにもつながります。
> 「幼い子供や大人を主人公にしてはいけない」
> に、疑問を持ったからです。
私みたいなビギナー向けの戒めですよね(中級者以上が初心に返る、もあったりはするがケースとして少ない)。上級者向けの格言めいたものではありません。ハウツーとしては、原則的なことを言うのですから、ビギナーが実践しやすく、かつ間違いやすい点を分かりやすく単純化してあると考えるべきではないでしょうか。ですから
> 「全く駄目な訳ではなく、何か手段や方法があるはず」
というのは、当然のことです。上級者だと必要であれば、ビギナー向けの原則は破ってきます。それでも効果が出せるのが上級者なのであり、うかつに真似して失敗するのが私のようなビギナーです。
中高生向けのラノベで、中高生でない主人公=感情移入対象キャラにしたいなら、まず受けやすい中高生主人公で面白く書けるようになってから、ということになるでしょうか。変化球を投げる前に、直球を投げられるようになりなさいよ、といったことでですね。
> 「無双系」
迷える狼さんが挙げられた作品のうち、吸血鬼ハンターDのDが相当しますね(GATEの主人公もレンジャーなる、自衛隊最強クラスのようです)。無双系ヒーロー(あえて主人公と呼ぶことを避けます)は怪獣映画の怪獣と同じ、眺めて感心する対象でしかありません。強力な銃器みたいなものと言ってもいいでしょう。感情移入の対象とはなりにくく、そのため周辺にドラマが作れる人間的に魅力あるキャラが配され、そちらに感情移入が起こりやすくなります。
> 「黒幕系」
迷える狼さんご自身が、「自らは(あまり)矢面や表舞台に立つ事は無く」と仰っています。そうなると、主人公が危機に陥らないですよね。艱難辛苦を乗り越えたり、手に汗握る行動を取るのは、周辺のキャラで、感情移入もそうしたキャラに起こりやすい。これも、無双系と似たような構造、特徴となっているように思います。
> 「教師系」
これも迷える狼さんが「主人公は成長する側では無く」「育成ゲームのプレイヤー」でもあると仰っています。教師系キャラに対して、四苦八苦して苦労し、努力し、成長する生徒系キャラが存在するわけで、感情移入はそういう頑張る生徒系キャラになりやすいのではないでしょうか。
お挙げになっている作品例から考えて、名目上の主人公と、感情移入対象のキャラ(実質的な主人公)が混同されているような気がします。ストーリーを進めるキャラと、ドラマを起こすキャラの違いと言ったらいいでしょうか。
このサイトコンテンツにあるアドバイスは、感情移入対象のキャラのことではないかと思います。同時に、ビギナー向けですから、主人公を最も感情移入しやすいキャラにするということは暗黙の前提としてあるはずです。
お考えのような問題について話をするなら、「読者が視点としやすく感情移入しやすいキャラ」という視点で話を進めるべきかと思います。その上で、必要であれば、感情移入対象キャラが、実は最も活躍する/強い/etcキャラと違うこともあるといった応用へ話を進めたほうがいいかと。名目上の主人公と混同した話をしていては、おそらく話がかみ合わないような気がします。
2016/05/25(Wed)
カテゴリー : キャラクター スレッド: ラノベで大人主人公がいけないは、本当か?