添削道場
秀句の59
釣船の小さき神棚雁渡る
作者 久田しげき
投稿日 2019年10月23日
(小さき→ちさき)
釣船に小さな神棚が祀ってあり、その上空を雁が渡るという情景です。雁と神棚の取合せが景をおごそかにしています。
◆季語
雁/かり
晩秋
雁(がん)/かりがね
真雁/菱喰/沼太郎
酒面雁/雲井の雁
小田の雁/病雁
四十雀雁/白雁/黒雁
初雁/雁渡る/天津雁
雁の棹/雁行/雁の列
落雁/雁鳴く/雁が音
晩秋に北方から来
て春には帰る。体
は肥っていて灰褐
色。頚が長く尾は
短い。グァングァ
ンと声を発しつつ
棹型や鉤型に並ん
で飛翔する。雁を
かりがねと呼ぶの
は古来、多くの人
がその声をめでた
からである。
病雁の夜寒に落ちて旅寝かな
芭蕉 「猿蓑」
雁の腹見すかす空や船の上
其角 「其便」
雲冷ゆる夜半に低し雁の聲
丈草 「誹諧曽我」
初雁や通り過して聲ばかり
千代尼 「千代尼句集」
初雁に羽織の紐を忘れけり
蕪村 「新五子稿」
離れじと呼つぐ聲か闇の雁
闌更 「牛化坊発句集」
雁並ぶ聲に日の出る河原かな
士朗 「枇杷園句集」
~きごさい~
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