◆添削道場
秀句の⑩
終の景色は天地逆さま鵙の贄
作者名 楠岳暁
更新日時: 2017年08月27日
終/つひ
◆寸評
逆さまに枝に刺された、鵙の贄は作者自身の姿である。
その無惨な姿で見る、天地逆さまの景色が
、今生の見納めというのだ
人生の深い虚無感をメッセージとした秀句だと思います。
◆季語
鵙の贄/もずのにえ/もずのにへ
三秋
鵙の早贄/鵙の贄刺/鵙の草茎/鵙の磔刑餌
鵙は昆虫や蛙、蛇、鼠などを捕らえると、それをとがった木の枝や有刺鉄線などに刺し蓄えたりする。これを鵙の贄と呼ぶ。
やき芋や鵙の草茎月なき里
言水「金剛砂」
草茎に鵙の心はしられけり
野坡「菊の道」
草茎を失ふ百舌鳥の高音かな
蕪村「新五子稿」
日のさして鵙の贄見の葉裏かな
蘭更「半化坊発句集」
大空のしぐれ匂ふや百舌の贄
渡辺水巴「水巴句集」
~きごさいより。
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◆注意
推薦句と寸評を伴わない書込みは固く御断りいたします。
埋もれた秀句が沢山あると思います。 よろしくお願い申し上げます。
(推薦句には通し番号を附けてください)
陽炎 記