添削道場
秀句の⑦
◎縁切りの寺に立ちたる白日傘
作者:不詳
更新日時: 2019年07月19日
◆寸評
縁切寺の門前に、白日傘の女性が佇んでいる~それだけで、物語を感じさせる一幅の画である。
鮮やかな切口の秀句だと思います。
◆季語
日傘/ひがさ
三夏
絵日傘/白日傘
日からかさ/パラソル
夏の強い日差しを
防ぐための傘。主
に女性が用いる。
最近では白ばかり
ではなく、黒い色
のものも目にする。
◆例句
閑居とは隅にたためる白日傘 神尾久美子
白日傘消え何事もなき港 鈴木鷹夫
仕へたき閻魔を仰ぐ白日傘 大木あまり 火球
海へ来て海へ入らず白日傘 安斉君子
昇天寸前旱老婆の白日傘 森 澄雄
陸橋を俯き歩く白日傘 松本サキ子
夢殿をゆるりとめぐり白日傘 小島良子
白日傘海の向うへ忘れけり 相沢量子
参道をひとりしづかに白日傘 平本微笑子
太陽の汚れを少し白日傘 檜 紀代
白日傘ひらき心の飢すこし 貞吉直子
喪に急ぐわが影支ふ白日傘 荒井書子
浜風をもてあましたる白日傘 城台 洋子
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◆注意
推薦句と寸評を伴わない書込みは固く御断りいたします。
埋もれた秀句が沢山あると思います。 よろしくお願い申し上げます。
陽炎 記