◆添削道場
秀句の6
◎遠雷やもう一仕事鍬を持つ
作者:千日草
更新日時: 2019年07月19日
◆寸評
遠雷と鍬の取合せが抜群の秀句、畑仕事の景が座五の(鍬を持つ)でピタリと着地。
◆季語
雷/かみなり
三夏
神鳴/いかづち/はたた神
鳴神/遠雷/落雷/来火
雷鳴/雷声/日雷/雷雨/雷響
積乱雲の中などで
雲と雲、雲と地上
の間で放電現象が
起きたもの。電光
が走った後に雷鳴
がとどろく。光と
音の時間差でその
遠近を測る。
~きごさいより
◆例句
遠雷や睡ればいまだいとけなく 中村汀女
遠雷やひとり昼餉の青菜汁 『定本石橋秀野句文集』
遠雷の火柱穴を掘る男 阿部みどり女 『光陰』
遠雷やたどりて吉原今昔図 大木あまり 火のいろに
遠雷や人を待たして人待たず 大木あまり 火のいろに
遠雷や髪やはらかき児の欠伸 かたぎり夏実
遠雷やひかりし猫の目は碧 古賀直子
遠雷や胃カメラ咽喉を通り過ぐ 高橋恭子
遠雷のして地球儀になきエデン 篠崎代士子
遠雷いまも耳を離れず師の忌来る 有働 亨
風蘭の花垂るる簷や遠雷す 富安風生
遠雷やはづしてひかる耳かざり 木下夕爾
遠雷のいとかすかなるたしかさよ 綾子
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◆注意
推薦句と寸評を伴わない書込みは固く御断りいたします。
埋もれた秀句が沢山あると思います。 よろしくお願い申し上げます。
陽炎 記